弘前市周辺に存在する寺社建築は、そのほとんどが既に文化財に指定されており、これまでにもたくさんの書籍によってみることができるようになっている。そこでここでは、弘前において建設が始められた初期の段階から、その変化を、技術の伝承という視点から述べてみたい。
本文では、これまで寺院と神社を分けて述べられた書籍が多い中で、寺社建築を一緒にして年代別にみてゆく。それによって、技術の伝播や伝承が、よりわかりやすくなると考えた。当時の宮大工たちは、寺院建築も神社建築も一緒にこなしていた。年代の区切りは『重要文化財目録』により、それぞれの『修理工事報告書』を参考にした。