日清戦争後の商業活動

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日清戦争後の明治三十年(一八九七)と翌三十一年につき、商家の営業形態別戸数を見ると表37(三三四頁)のとおりである。
表37 商家営業別
明治30年明治31年
卸  売
 東津軽郡176
 西津軽郡5037
 中津軽郡1313
 南津軽郡131125
 北津軽郡5052
 上北郡5655
 下北郡2120
 三戸郡298215
 弘前市22281
 青森市164202
仲  買
 東津軽郡5
 西津軽郡22
 中津軽郡1616
 南津軽郡4490
 北津軽郡2122
 上北郡511
 下北郡11
 三戸郡10351
 弘前市66
 青森市3645
小  売
 東津軽郡1,5041,537
 西津軽郡1,1561,035
 中津軽郡651618
 南津軽郡8772,255
 北津軽郡1,1711,319
 上北郡1,5691,165
 下北郡777808
 三戸郡3,9603,386
 弘前市1,1151,195
 青森市1,9771,963
雑  商
 東津軽郡305498
 西津軽郡286254
 中津軽郡4837
 南津軽郡299395
 北津軽郡335306
 上北郡193251
 下北郡144163
 三戸郡516533
 弘前市413546
 青森市468383
青森県『明治32年青森県治一班』明治33年

 この数値を一〇年前の数値と対比すると、卸売、仲買、小売がともに減少し、雑商が増加していることがわかる。減少している営業のうち、卸売は、明治三十年の数値が大きい。その内訳は不明であるが、卸売商業が浮沈が激しいものであることがわかる。後年の統計では「卸兼小売」の分類が登場するので、分類の方法に基づく誤差も勘案する必要がある。
 これに対して、主としてサービスを提供する質屋、旅籠屋、料理店のような雑商は、一〇年前と対比して増加している。