終戦の詔勅降る

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昭和二十年(一九四五)八月十五日正午、大東亜戦争終結の詔勅が降(くだ)った。日本ポツダム宣言を受諾し、一切の戦闘行為は中止された。同日の和徳国民学校日誌は「八月十五日 水曜日 晴 正午ヨリ 聖上陛下親シクマイクヨリ全国民ニ戦争終結ノ詔勅ヲ賜フ」と記し、翌日から十九日まで空白のページが続いている。おそらく敗戦のショックで校長以下教員すべてが虚脱状態で、仕事も手につかず、日誌を書く気力さえ失われたのではなかろうか。同日県内政部長と金井元彦学徒隊長(青森県知事)名で左の告諭が県内各学校長宛に発せられた。
 青少年学徒ニ告グ
本日畏クモ、大詔ヲ拝シ、大東亜戦争ハ、聖慮ニ依り其ノ局ヲ結ブコトニナリマシタ。事茲ニ至リマシタコトハ、臣子トシテ誠ニ恐懼ニ堪ヘザル次第デアリマス。諸子ハ此ノ間、皇国学徒トシテ克ク訓ヲ守リ、挺身事ニ当ラレマシタコトハ感謝ニ堪ヘマセン。今後直面スベキ事態ハ、真ニ容易ナラザルモノナルヲ覚悟致サネバナリマセント共ニ、私共先輩トシテ諸子ヲシテ斯クノ如キ苦難ノ道ヲ歩マシメルコトニナリマシタコトヲ申訳ナク存ズルモノデアリマス。然シ歴史ハ悠遠デアリ神州ハ不滅デアリマス。如何ナル困難ノ道デアリマセウトモ、諸子ハ之ニ堪ヘテ、聖慮ヲ畏ミ、軽挙ヲ慎ミ、線ノ太イ総明ナ日本人トナッテ国体ヲ護持シ、国運ノ恢弘ヲ双肩ニ担ッテ戴キタイノデアリマス。国歩艱難ノ秋(とき)、諸子ノ自愛ト奮励ヲ祈ヤ切ナルモノガアリマス。


写真61 昭和20年8月15日付『東奥日報