青森県りんご協会の設立は、昭和二十一年(一九四六)三月の苹果振興委員会の答申に端を発するが、当時のGHQによる占領行政のなかで、りんご産業振興の指導的役割を持つ機関として、農業会や農業協同組合のように法に縛られ、監督機関に干渉されない、自由な民間団体として設立された。まず、同年八月、農業会、県りんご施設組合(移出商)、県加工統制組合の三機関によって設立が準備され、その主力行動目標として次の六項が掲げられた。
一、りんごに関する一切の総合機関とする。
二、りんごに関する農政活動とりんご産業復興に関する一切の組織運動の展開。
三、当面の生産資材斡旋行動。
四、行動準備資材収集。
五、りんご生産進展のための印刷物、講習。
六、研究機関に対する積極的な自主的援助。
そして、同年九月二十四日、りんご祭りの日に創立総会が開催され、青森県りんご協会が発足することになった。なお、会長には相馬友彦(竹舘村相馬貞一の長男)、専務理事に外崎正義が就任した(前掲『青森県りんご百年史』)。