吹奏楽金賞が光る

644 ~ 645 / 965ページ
創設以来、他校に比べると日は浅いが、弘前南高校の部活動は着実な成果を上げている。草創期から群を抜いていたのは吹奏楽である。東北大会へはすでに四十八年から常連のように出場していたが、五十二年の全日本吹奏楽コンクール全国大会で、初出場で高校の部金賞をかちとると、五十六年までの五年間、連続して金賞に輝いた。翌五十七年は、大会規定(五年連続出場校は大会そのものへの参加ができない)により出場することができなかったが、代わりに招待演奏という栄誉の礼をもって会場たる東京・普門館に迎えられ、文部大臣奨励賞などが授けられた。

写真198 弘前南高校全日本吹奏楽コンクールで金賞

 放送部も、全国高校放送コンテストには四十四年から挑戦しており、朗読・ラジオ・テレビ番組部門に常連として参加し、そのつど優秀な成績を収めている。
 これらの活躍と前後して、他のクラブ活動も各方面に進出してくる。運動部では、バドミントン(四十一年)やバレーボール(四十二年)が県内優勝をしたのを皮切りに、弓道や山岳、剣道で制覇している。特に山岳部では、四十六年の国体で準優秀第一位、インターハイでは優秀パーティに選ばれている。後には硬式テニス、空手がこれに加わった。文化部系では、書道の伊藤薫が全日本書芸文化院賞を獲得したほか、変わり種では囲碁部が県代表として全国選手権に連続して臨み、結果を出した。創設以来、教職員や生徒たちが、学校の新しい伝統を築き上げるために奮闘努力している熱気が伝わるようである。
 弘前南高校は、四十八年に創立十周年を迎えた。第二体育館、生徒会館などの施設も完備し、教育整備も進んで、いよいよ円熟期へ入ったのである。