一九八九年一月七日、昭和天皇の崩御によって、年号が「平成」に改元された。六三年にわたって続いた昭和はここに終焉した。戦争の世紀とも言われた二〇世紀だが、中等教育にとっても、戦後の六・三・三制や単位制、男女共学が採用されるなどの改革が相次ぎ、制度上の面も含めてめまぐるしく変動した激動の時代であった。
平成初期の中等教育は、充実発展期にさしかかっている。しかし、教育をめぐる状況には、新たな課題が待ち受けていたのも事実である。ここでは、平成の中等教育がどのように時代の要請に対処してきたのか、これまでの歩みを概観していきたい。