弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

本州の最北にあって豊かな文化をはぐくんできた弘前市。その歴史をまとめた『新編弘前市史』の通史編をフルテキスト化するとともに、近世部分までの資料編とあわせて電子書籍化しました。これにより、年表を含め市史の本文を対象に横断検索・閲覧ができるようになりました。

また、市立図書館所蔵の「弘前藩庁日記」および「分間御城之図」「御郡中絵図」「弘前大絵図」など主要な絵図、藩政期の弘前城の補修にかかわる資料37点などの高精細デジタル画像化を実現し、目録や検索結果一覧から原本および引用史料の高精細画像へとたどって閲覧することができるようになりました(なお、すべてにではありませんが、各史資料に、弘前大学のほか、専門の先生方に執筆いただいた解題を付しております)。

津軽の地は、その風土と作品が分かちがたく結びついている多くの文学者を世に送り出しています。弘前市立郷土文学館で常設展示している、郷土が誇る近現代の「津軽文士」10人(陸羯南・佐藤紅緑・葛西善蔵・福士幸次郎・一戸謙三・石坂洋次郎・高木恭造・平田小六・太宰治・今官一)の著書、原稿、遺品などについて、太宰を除く9人の資料目録と、貴重な直筆資料の一部のデジタル画像を公開しました。





史資料(絵図・文書)



「弘前藩庁日記」全4,534冊は、寛文元年(1661)から慶応四年(1868)に至る藩政の公式記録であり、弘前城中の記録である「国日記」3,308冊と江戸屋敷の記録である「江戸日記」1,226冊からなります。江戸時代前期から幕末に至るまでの藩政記録がほぼ欠けることなく現存しているのは全国的に希有な例であり、極めて価値の高い貴重な史料です。弘前市では平成30年度より撮影を順次進めています。



文学館資料

弘前市立郷土文学館が常設展示している、明治以降の「津軽文士」10人のうち、陸羯南、佐藤紅緑、葛西善蔵、福士幸次郎の原稿、書幅、短冊、色紙などの貴重な直筆資料のデジタル画像を見ることができます。



成田文庫

昭和22年より10年間の長きにわたって弘前市立図書館長を務めた成田末五郎氏の旧蔵書・草稿を整理した「成田文庫」2,143冊の目録(昭和59年刊行)です。


当事業は公益財団法人図書館振興財団の平成29年度振興助成事業および
平成30年度提案型助成事業として助成を受け実施しています。