昭和4年(1929)度

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31シーズン目

【協会】 会長に高木喜寛就任 空席だった会長に高木喜寛(初代会長)が推挙された。/花園ラグビー場が完成 待望久しい初のラグビー専用グラウンドが、11月22日1)に誕生した。正式名称は「日本ラグビー蹴球協会専属花園ラグビー場」。日本協会はこけら落としに、花園ラグビー場生みの親である秩父宮・同妃殿下のご台覧を得て、全日本選抜OB対学生の試合を行った。全日本学生代表24−11全日本OB。/天皇陛下初のラグビー試合ご台覧 11月1日、神宮競技場の関東・関西選抜試合をご台覧になった。/初めてのラジオ放送 11月3日に行われた京大対KRAC(神戸東遊園地)の試合が、初めてNHKラジオで放送された(片岡メモ)。
【大学】 京大3年連続全国制覇 京大は9−9で慶大と引き分けたが、同大関西学大明大東大に勝ってシーズン無敗で第3回全国制覇と認定された。慶大は関東大学対抗戦で明大に3−6と敗れている。/関東は立大が初優勝、関西は京大 第2回関東大学対抗戦は、5人TBのシステムを成功させた立大が、慶大とは0−0で引き分け、早大にも初勝利、東大に勝ち、この年初めて慶大に勝った明大との無敗対決となった。この試合に、立大は吉田輝彦の見事なドロップゴールで10−6と勝利し、3勝1分で初優勝を遂げた。立大は関西優勝の京大と定期戦を組んでおらず関東王座にとどまった。第3回関西大学対抗戦は京大が3年連続3回目の優勝。
【地域】 第3回東西対抗は関東が37−5で関西を下して3連勝を飾った。
【その他】 中学は慶応普通部、高専は東京高師が優勝 第12回全国中学大会は慶応普通部が同志社中を8−6で破り、第5回全国高専大会は東京高師が関西学院を52−6で退けそれぞれ初優勝を果たした。
【セブンズ】 初のセブンアサイド大会開催 2月8日に第1回学士ラガー7人制大会が、文部省の後援により東大駒場グラウンドで開催された[昭和5年4月28日の関東協会主催大会を日本初のセブンズ大会とする説もある]。
【国際】 英国サフォーク号(1勝1敗)が5月に来日した。
1) 花園ラグビー場のこけら落としの日時は『日本ラグビー史』P224に12月21日と書かれ「関西協会史」もこれに準じているが、同史P225に当日の入場券が掲載され、それには12月22日午後3時と明記されている。「協会50年史」P66にも22日となっている。本書では「協会50年史」と入場券の日時に従った。