平成7年(1995)度 第48回社会人大会決勝

平成8年(1996)2月11日 花園ラグビー場

サントリー 27-27 三洋電機

神鋼の連覇消え、サントリー三洋電機双方優勝

平成7年(1995)度 第48回社会人大会決勝
1996年2月11日 G:花園ラグビー場 R:市川明夫 KO 14:00
サントリー 27 27 三洋電機
1 中里  豊(筑波大) 5 17 1 松野 和之(国士大)
2 坂田 正彰(法大) 22 10 2 久米 祐介(東洋大)
3 中村 直人(同大) 3 杉山  篤(大体大)
4 栗原 誠治(早大) 1 T 2 4 島田 直樹(東洋大)
5 グレン・エニス(BC大) 0 G 2 5 門倉  豊(大東大)
6 大森  渚(秋田工) 0 PG 1 6 セシミィ・ダクヤコ(スコット大)
7 清宮 克幸(早大) 0 DG 0 7 飯島  均(大東大)
8 マックスウェル・オルソン(マリスト高) C8 シナリ・ラトゥ(大東大)
C9 永友 洋司(明大) 3 T 1 9 堀越 弘二(早大)
10 武山 哲也(日体大) 2 G 1 10 大草 良広(法大)
11 吉野 俊郎(早大) 1 PG 1 11 藤田 信之(新田高)
12 今駒 憲二(早大) 0 DG 0 12 山田 雄紀(専大)
13 岡安 倫朗(明大) 13 セミィ・タウペアフェ(トゥポ高)
14 尾関 弘樹(日体大) 7 21 14 米本 勝治(国士大)
15 今泉  清(早大) 15 新井 昭夫(日体大)
[双方優勝、トライ数の多いサントリー日本選手権に出場]

 この年は出場16チームを4プールに分けて総当たりにするワールドカップ方式を採用した。神鋼は予選3試合に全勝、決勝トーナメントの1回戦でサントリーと20−20と引き分けた。神鋼は前半28分にラックから堀越、平尾、富岡剛と回したトライと、富岡剛の5PGで20点、サントリーが今泉と尾関のトライ、永友の2Gと1PGで17点と追いすがる大接戦は、ロスタイムに入って、サントリーが永友の値千金のPGで追いつき引き分けに持ち込んだ。大会ルールでトライ数が2対1と上回ったサントリーが準決勝への出場権を得て、神鋼はついに無敗のまま8連覇への道を閉ざされたのである。

 史上3回目の引き分け双方優勝となったサントリー、三洋の決勝戦は、ものすごい試合になった。前半14分三洋、ラックからCTBセミィがトライ(新井ゴール)。17分にもラックから堀越弘二、ラトウでトライ(新井ゴール)、14−0とリードした。21分サントリー、中央スクラムから左へ展開、No8オルソン、FL清宮、FB今泉、CTB岡安、WTB吉野とつなぎトライ、40分三洋は新井がPGを決め17−5とリードして折り返す。後半はサントリー永友、三洋新井がともにPGを決めたあと、15分に三洋SH堀越がラックサイドを抜いてトライ(新井ゴール)で27−8と引き離した。三洋が俄然優勢に立ったがサントリーも食らいつく。21分、永友、栗原、清宮、吉野とつなぎトライ(永友ゴール)。28分に三洋FB新井のドリブルを吉野が取ってこの日3本目のトライ、27−20と7点差に迫る。ロスタイムに入った41分、三洋のキックを取った坂田がカウンターアタック、中村、永友、清宮、吉野、尾関とつないでトライ、永友が同点ゴールを決めた。サントリーはこの劇的な同点トライ&ゴールで三洋にトライ数で上回り、両者優勝ながら日本選手権への出場権を獲得した。

 サントリー三洋電機ともに宿願の初優勝である。しかし試合後の明暗は明らかだった。27−8とリードしたとき、三洋は勝ちを意識したのだろうか。開き直ったサントリーの積極果敢な展開ラグビーを止めきれずに19点差を追いつかれた。しかもトライ数でも逆転されて日本選手権への出場権も失った。三洋電機はシーズンを無敗で終わったが、この結果は同点優勝だから喜べといってもむなしい感じがする。三洋の悲運はどこまで付きまとうのか。

 サントリーは秋の東日本社会人リーグで三洋、東芝NECに3敗している。この大会でも引き分けが2つだ。それが神鋼の8連敗を阻んだ試合と、決勝戦という、ともにドデカイ引き分けとなった。