テストNo.288 パシフィック・ネーションズカップ 第2戦 フィジー代表戦

English 機関誌
平成25年(2013)6月1日 G:ラウトカ R:ギャラット・ウィリアムソン(NZ)
日本代表 8-22 フィジー代表
No.526★288 第8回IRBパシフィック・ネーションズカップ 第2戦 フィジー代表
2013年6月1日 G:ラウトカ R:ギャラット・ウィリアムソン(NZ)
日本代表8-22フィジー代表
1三上 正貴(東芝)051ステファノ・ソモザ
2青木 佑輔(サントリー)8172トゥアバティ・タレマイトンガ
3畠山 健介(サントリー)3ジェリー・ヤヌヤヌタワ
4大野  均(東芝)0T14アピサロメ・ラトゥニヤラワ
5マイケル・ブロードハースト(リコー)0G05ワメ・レワラヴ
6マイケル・リーチ(東芝)0PG06アピ・ナイカティニ
7ヘンドリック・ツイ(サントリー)0DG0C7アカプシ・ンゲラ
C8菊谷  崇(トヨタ)8ネタニ・タレイ
9日和佐 篤(サントリー)1T39ネミア・ケナタレ
10田村  優(NEC)0G110セタレキ・コロイランギランギ
11小野澤 宏時(サントリー)1PG011シレリ・ボンボ
12立川 理道(クボタ)0DG012レオネ・タンブアルア
13マレ・サウ(ヤマハ)13ネマニ・ナドロ
14今村 雄太(神鋼)101614アンドリウ・デライ
15五郎丸 歩(ヤマハ)15シメリ・コニフェレンディ
交代【日】木津武士(神鋼)②、山下裕史(神鋼)③、北川俊澄(トヨタ)⑥、クレイグ・ウィング(神鋼)⑩、福岡堅樹(筑波大)⑪、伊藤鐘史(神鋼)④、内田啓介(筑波大)⑨、浅原拓真(東芝)① 【フ】マナサ・サウロ①、キャンピージ・マアフ③、チウタ・ルトゥマイランギ⑮、アイセア・ナトンガ⑭、ルペニ・ナシンガ⑤、マラカイ・ラヴロ⑦、ヴィリアメ・ヴェイコス②、ニコラ・マタワル⑩
得点:T福岡、PG五郎丸

 過去のPNCで一度しか勝っていないフィジー戦に向け、「試合の入りが一番大切」(NO8菊谷崇ゲームキャプテン)であった。その試合の入りに、再び日本は失敗する。キックオフから日本陣に攻め込んだフィジーはスターWTBシレリ・ボンボの突破から開始40秒で先制トライ。いきなり日本は5点のビハインドを背負う。この日のフィジー戦が初のアウェー戦。登録メンバー23人中半数以上の12人がフィジーでのテストマッチ未経験者であった。この試合で通算80キャップとなり、日本代表歴代単独1位となったWTB小野澤宏時が先頭でグラウンドに入場。試合開始までは祝福ムードが漂っていたラウトカ・チャーチルパークだったが、いきなり試合開始とともに強烈なアウェーの洗礼を受けた。それでも、試合後「あのトライで目が覚めた」と、小野澤に次ぐ代表キャップ数を誇るLO大野均が振り返ったとおり、日本は粘り強いDFで以降得点を許さず、前半は5失点のみ。一方、アタックは、激しい雨が降り続く厳しい条件もあり日本らしいテンポは全く見られず。先制トライを取られた直後、PKで敵陣深く攻め込むチャンスをキックミスで逃した後は、前半終了間際に自陣深くからのCTBマレ・サウとWTB今村雄太の好走でフィジー陣22m内に攻め込むまでは、自陣に張りつけの状態が続いた。
 前半、圧倒的に攻められながらも、1トライを奪われただけ。間違いなく、後半の巻き返しに期待がかかる展開。実際、後半開始直後、リズムを取り戻した日本が攻め込み、6分にFB五郎丸歩バイスキャプテンがPGを決めて5-3。厳しいコンディションもあり、まず点差を詰めること自体は妥当だっただろうが、この後、再びテンポを上げきれない時間帯が続くことになる。「ハーフタイムで後半の最初からテンポを上げようと話をしていたのに、それを無視するようなかたちになってしまった。雨もあり、ゲームコントロールを意識しすぎて、本来なら早くセットして、早く出すという場面でも、スローテンポになるようなサインを出してしまった。テンポを上げる意思をあまり伝えられなかった」(菊谷ゲームキャプテン)。テンポを上げられない日本を尻目に、フィジー日本のミスから、あるいはクイックスローから、CTBに入っていたネマニ・ナドロのパワーや、WTBボンボのスピードを生かして、チャンスを生かし切って、9分、29分とトライを重ねて、勝負も決めた。日本はようやくロスタイムに小野澤に替わって途中出場していたWTB福岡堅樹が1トライを返したが、さらにフィジーにも1トライを重ねられ8-22で敗れた。ジョーンズHCは「全てはコーチングの責任。選手はベストを尽くしている」としながらも、「タックルもよくなかったし、スクラムもよくなかった。ブレイクダウンもうまくいかず、フィールドプレーもダメ」と落胆を隠さなかった。