テストNo.330 リポビタンDツアー2016 日本代表欧州遠征 第1戦 ジョージア代表戦

平成28年(2016)11月12日 G:トビリシ R:フェデリコ・アンセルミ(ARG)

日本代表 28-22 ジョージア代表●

No.569★330 リポビタンDツアー2016 欧州遠征2016 第1戦 ジョージア代表戦
2016年11月12日 G:トビリシ R:フェデリコ・アンセルミ(ARG)
日本代表 28 22 ジョージア代表
1 仲谷 聖史(ヤマハ) 8 12 1 メケイル・ナリアシヴィリ
2 堀江 翔太(パナソニック) 20 10 2 ジャバ・ブレクヴァゼ
3 伊藤 平一郎(ヤマハ) 3 レヴァン・チラチャヴァ
4 谷田部 洸太郎(パナソニック) 1 T 2 4 コヌスン・タンチネ・ミカウタゼ
5 梶川 喬介(東芝) 0 G 1 5 ギオルギ・ネムサゼ
6 マルジーン・イラウア(東芝) 1 PG 0 6 ヴィクトル・コレリシヴィリ
7 布巻 峻介(パナソニック) 0 DG 0 C7 マムカ・ゴルゴゼ
8 アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコム) 8 ベカ・ビタゼ
9 田中 史朗(パナソニック) 3 T 1 9 ヴァシル・ロブジャニゼ
10 田村  優(NEC) 1 G 1 10 ラシャ・クマラゼ
11 カーン・ヘスケス(宗像サニックス) 1 PG 1 11 ギオルギ・アプツィアウリ
C12 立川 理道(クボタ) 0 DG 0 12 メラブ・シャリカゼ
13 ティモシー・ラファエレ(コカ・コーラ) 13 ダヴィド・カチャラヴァ
14 レメキ ロマノ ラヴァ(ホンダ) 不明 不明 14 タマズ・ムチェドリゼ
15 松島 幸太朗(サントリー) 15 メラヴ・クヴィリカシヴィリ
交代【日】アニセ サムエラ(キヤノン)④、ヘル ウヴェ(ヤマハ)⑥、福岡堅樹(パナソニック)⑪、山本幸輝(ヤマハ)①、山路泰生(キヤノン)③、アマナキ・ロトアヘア(リコー)⑬、内田啓介(パナソニック)⑭ 【ジ】ラシャ・マラグラゼ⑩、アンゾル・シチナヴァ⑬、ダヴィド・クブリアシヴィリ③、ヴァシル・カコヴィニ①、ラシア・ロミゼ④、ギオルギ・ツヒライシヴィリ⑧、ギオルギ・ベカゼ⑨  シンビン=梶川(日)、シチナヴァ(ジ)
得点:Tレメキ2、松島、福岡、G田村、PG田村2

 予想通りフランスイングランドのトップクラブでプレーする選手で固めたジョージアFWは、日本にプレッシャーをかけてきた。試合開始早々、ファーストスクラムを押し込まれてコラプシング。ジャパンの先発FWはアルゼンチン戦から4人が入れ替わっていた(PR畠山健介⇒伊藤平一郎、LOアニセ サムエラ⇒谷田部洸太郎、FLヘル ウヴェ/三村勇飛丸⇒マルジーン・イラウア/布巻峻介)。HO堀江翔太を除けば、ソ連時代のサッカーヒーローの名がつけられたスタジアムでプレーするのは初めての選手ばかりのFW陣にいきなり洗礼を浴びせられた。「(ジョージアは)強かった。8人全員がしっかり押してくる。試合中には対応できなかった」(PR伊藤)

 ジェイミー・ジョセフHCも「現時点で世界一の強さ」と認めるスクラムをはじめ、フィジカルバトルでは完敗。前半9分の松島幸太朗の先制トライ、17分のSO田村優のPGにつながった場面を除いて、最初の40分間は自陣を出られない苦しい戦いを余儀なくされた。それでも2年前とは違い、“前半でスクラップ”は避けられた。26分にモールで、さらに前半終了間際にラインアウトのこぼれ球を拾った相手SHに走られてと、2トライは奪われたものの、前半終了時点でのビハインドは4点(8‐12)。LO梶川のシンビンがあったことを考えると、ディフェンスで粘った印象が強かった。「ディフェンス面で改善が見られたし、ジョージアのミスも我々がディフェンスでプレシャーをかけたから」(ジョセフHC) アルゼンチンのパワフルかつスキルフルな攻めに綻びを見せたディフェンスは1週間でかなり改善された。ジョージア自体が「世界トップ10(世界ランキングはジョージアが11位、日本が12位)にチャレンジするには大男だけに頼っていてはダメ」(ミルトン・ヘイグ監督)と、FWにこだわりきらなかったことも日本には幸いした。過去にないほどボールを動かしたジョージアだが、攻撃自体はシンプルで、日本のディフェンス網が破れることはなかった。

 後半に入ると、4分にWTBレメキ ロマノ ラヴァが相手のパスをインターセプトして約80mを独走。10分にジョージアにこの日3本目となるトライを許して再逆転されるが、このあたりからジョージアの足が止まる。「我慢し続ければ、相手が疲れるのはわかっていた」試合後、冷静に振り返ったのはこの日が初キャップながら「いつも通りプレーできた」というFL布巻峻介。

 自らのキックを追ったFB松島の先制トライに始まり、後半19分には立川主将のグラバーキックをファンブルしながらも腕の中に収めたWTBレメキが、再び相手ディフェンスを振り切って追い上げ、後半23分のWTB福岡堅樹の逆転トライにつなげた。

ジョージアは前半、攻めに攻めて疲れていたと思う。あの時間帯(後半11分に途中出場)に出られたのはありがたかった」 (福岡)相手防御の綻びを見つけて前に出たSO田村の動きに反応した福岡にボールが渡ると、相手BKを翻弄、左隅に飛び込んでジョージアの息の根を止めた。「相手の疲れもあるし、キックをうまく使った」という落ち着いたゲームメイクを見せたSO田村が34分にPGを加えて、最終スコアは28‐22。「みんながジェイミーの考えていることを理解した戦い方だった。ディフェンスでしっかり我慢できたのは、今のジャパンにとってプラスになった。自信をつけた」(SH田中史朗)(ラグビーマガジン2017年1月号より抜粋)