平成30年(2018)11月17日 G:トゥイッケナム R:ポール・ウィリアムス(NZ)
No.586★347 リポビタンDツアー2018 欧州ツアー2018 イングランド代表戦 | ||||||
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2018年11月18日 G:英トゥイッケナム・スタジアム R:ポール・ウィリアムス(NZ) | ||||||
日本代表 | 15 | - | 35 | イングランド代表 | ||
1 | 稲垣 啓太(パナソニック) | 15 | 前 | 10 | 1 | アレック・ヘップバーン |
2 | 坂手 淳史(パナソニック) | 0 | 後 | 25 | 2 | ジェイミー・ジョージ |
3 | 具 智元(ホンダ) | 3 | ハリー・ウィリアムズ | |||
4 | ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ) | 2 | T | 1 | 4 | チャーリー・ユールズ |
5 | ヘル ウヴェ(ヤマハ) | 1 | G | 1 | 5 | マロ・イトジェ |
C6 | リーチ マイケル(東芝) | 1 | PG | 1 | 6 | コトニー・ローズ |
7 | 西川 征克(サントリー) | 0 | DG | 0 | 7 | マーク・ウィルソン |
8 | 姫野 和樹(トヨタ) | 8 | ザック・マーサー | |||
9 | 田中 史朗(パナソニック) | 0 | T | 3 | 9 | ダニー・ケア |
10 | 田村 優(キヤノン) | 0 | G | 2 | C10 | ジョージ・フォード |
11 | 福岡 堅樹(パナソニック) | 0 | PG | 2 | 11 | ジョー・コカナシガ |
12 | 中村 亮土(サントリー) | 0 | DG | 0 | 12 | アレックス・ロゾフスキ |
13 | ラファエレ ティモシー(コカ・コーラ) | 13 | ジャック・ノーウェル | |||
14 | 山田 章仁(パナソニック) | 9 | 反 | 12 | 14 | クリス・アシュトン |
15 | ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ) | 15 | エリオット・デーリー | |||
交代【日】布巻峻介(パナソニック)⑦、アニセ サムエラ(キヤノン)⑤、流大(サントリー)⑨、ツイ ヘンドリック(サントリー)⑧、庭井祐輔(キヤノン)②、松田力也(パナソニック)⑩、ヴァル アサエリ愛(パナソニック)③、山本幸輝(ヤマハ) 【イ】ヘンリー・スレード⑭、オーウェン・ファレル⑫、ベン・ムーン①、サム・アンダーヒル⑧、カイル・シンクラー③、リチャード・ウィグルズワース⑨、ディラン・ハートリー②、テェッド・ヒル④ シンビン=ジョージ(イ) | ||||||
得点:T中村、リーチ、G田村、PG田村 |
日本代表は前半40分、主役を演じた。イングランドのキックオフ。開始からFWで執拗に身体を当ててくる。3分、SO田村優のキックをFBエリオット・デイリーがキャッチ。日本の防御の外側が開いているのを見ると、初キャップのWTBジョー・ゾカナシンガにパス。大きなストライドでゲイン。HOジェイミー・ジョージを経て、SHダニー・ケアがインゴールに飛び込んだ。簡単にトライをとれたことが、逆に影響を与えた。オールブラックス戦で出た日本の課題、ブレイクダウンは改善されていた。ヴィンピー・ファンデルヴァルト、ヘル ウヴェの両LO、NO8の姫野和樹とフィジカル面で前に出られる選手に球を集め、先発出場の田中史朗がリズミカルにパスを放つ。トライを奪われた後、日本は攻勢に出た。「相手をどう排除するか、完全にクリーンな状態で球を出すことにフォーカスして、いいテンポで球を出せていた」(稲垣啓太)
同じくNZ戦の課題だったハイボールの処理。この日はウィリアム・トゥポウを初めて15番で起用、188㎝101㎏の体躯は、相手との接触にも強く安定したキャッチングを見せた。アタックでは、ワイドなパスに加えて、後ろに走り込んできた選手に深いパスも織り交ぜ、イングランドを振り回した。
16分、田村のPGで3点を返した後の22分、ゴール前のスクラムから田中がダイレクトで、走り込んできたCTB中村亮土にパス。ディフェンス2人を振り切ると、そのままインゴールへ飛び込み8-7と逆転した。28分デイリーに51mのロングPGを返されるが、31分にはWTB山田章仁がタックルを受けながらもよく粘って体勢を立て直し、外へパス。リーチが相手防御をかいくぐり22m走り切ってトライ、15-10と再びリードした。イングランドはブレイクダウンで反則を重ね、早い展開で後手を踏んだ。37分にもリーチが抜けたが、トライ寸前で放ったパスが相手に渡り引き離すチャンスを逃した。
後半開始から両チーム、ベンチが動く。日本はウヴェ、西川、田中が下がり、イングランドは温存していたチームの支柱オーウェン・ファレルピッチへ。すると後半、ブレイクダウンの局面が一転。今度は日本が反則を取られだす。「絡まれているところもそうだし、絡まれていないところでも、ノーボール・タックルのような感じでペナルティを取られてしまった。」(稲垣)
日本は圧力を受け、前半、ほとんど見られなかったパスミスも目立ち始める。16分、PGで2点差に詰められると19分にはフェイズを重ねられFLマーク・ウィルソンに逆転トライを許す。その後はイングランドFWが完全に「制圧」し、点差を広げた。
最終スコアは15-35。日本は後半、無得点に抑えられた。マンオブザマッチは、LOマロ・イトジェが選ばれた。
会見でリーチ マイケル主将は「がっかり」と第一声。「課題だった後半の立ち上がり10分で勢いを失った。それが一番がっかりした」と声を落とした。だが、「ブレイクダウンの課題は修正できた。ラインアウトも良かった。」とリーチ主将は語った。
惜しまれるのは前半の健闘の一因だったSH田中を前半で替えたこと。「ジョセフHCは「当初のプラン通り。うまくいったと思う。」と肯定したが、よい流れのときに要のポジションを替えたのは疑問が残る。来年への意義をジョセフHCは「トップ4と互角に戦えた。試合前から『アマチュアとプロの戦いだ』と言ってきたが、少しずつ成長してきた」と述べた。
前の試合で出た課題の修正力は身についてきた。後半のフィットネスも数値で示され改善されるはずだ。後は、80分間を通してゲームコントロールする力をつけられるか。来年9月の開幕まで残り10か月あまり。差を詰める日々は続く。