テストNo.389 リポビタンDチャレンジツアー2024 イングランド代表戦

令和6年(2024)11月23日 G:トゥイッケナム競技場(イングランド) R:トゥイッケナム競技場(イングランド
日本代表 14-59 イングランド代表

対戦日2024/11/24 (日) Kick off16:10
競技場トゥイッケナム・スタジアム(アリアンツスタジアム) 観客数--
天候雨のちくもり/無風 グラウンド
状態
良い
ドクター
記録係JRFU広報室
レフリーCraig Evans (WRU)sign
アシスタントレフリー

Andrea Piardi (FIR)

Morné Ferreira (SARU)

-

マッチコミッショナーsign
TMOOlly Hodges (IRFU) / Mike Adamson (SRU)
日本代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 岡部崇人(180/105/29)
横浜キヤノンイーグルス
FW
2 李承爀(179/103/25)
三菱重工相模原ダイナボアーズ
3 竹内柊平(183/115/26)
浦安D-Rocks
4 サナイラ・ワクァ(202/120/29)
花園近鉄ライナーズ
5 エピネリ・ウルイヴァイティ(196/122/28)
三菱重工相模原ダイナボアーズ
6 下川甲嗣(188/105/25)
東京サントリーサンゴリアス
7 姫野和樹(187/109/30)
トヨタヴェルブリッツ
8 ファウルア・マキシ(187/112/27)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
9 齋藤直人(165/73/27)
スタッド・トゥール—ザン [FRA]
HB
10 ニコラス・マクカラン(188/93/28)
トヨタヴェルブリッツ
11 ジョネ・ナイカブラ(177/95/30) TB
12 シオサイア・フィフィタ(187/105/25)
トヨタヴェルブリッツ
13 ディラン・ライリー(187/102/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
14 長田智希(179/90/24)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
15 松永拓朗(172/82/26) FB
16 松岡賢太(175/100/27)
コベルコ神戸スティーラーズ
Re.
17 森川由起乙(180/114/31)
東京サントリーサンゴリアス
18 為房慶次朗(180/108/23)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
19 秋山大地(192/114/28)
トヨタヴェルブリッツ
20 テビタ・タタフ(183/124/28)
ユニオン・ボルドー・ベグル [FRA]
21 ベン・ガンター(195/120/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
22 藤原忍(171/76/25)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
23 梶村祐介(181/95/29)
横浜キヤノンイーグルス

※背番号の白抜きはキャプテン

イングランド代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 エリス・ゲンジ(187/116/29)
FW
2 ジェイミー・ジョージ(183/107/34)
Saracens
3 ウィル・スチュアート(189/127/28)
Bath Rugby
4 マロ・イトジェ(195/118/30)
Saracens
5 ジョージ・マーティン(198/118/23)
Leicester Tigers
6 トム・カリー(185/109/26)
Sale Sharks
7 サム・アンダーヒル(186/103/28)
Bath Rugby
8 ベン・アール(184/107/26)
Saracens
9 ジャック・ヴァン・ポートヴリート(184/89/23)
HB
10 マーカス・スミス(176/82/25)
Harlequins
11 オリ—・スライトホーム(181/89/24)
Northampton Saints
TB
12 ヘンリー・スレード(191/96/31)
Exeter Chiefs
13 オリー・ローレンス(182/99/25)
Bath Rugby
14 トミー・フリーマン(188/92/23)
Northampton Saints
15 ジョージ・ファーバンク(182/87/28)
Northampton Saints
FB
16 ルーク・カウワンディッキー(183/111/31)
Re.
17 フィン・バクスター(185/116/22)
Harlequins
18 アッシャー・オポクフォージョア(185/115/20)
19 ニック・イジィクウェ(200/120/26)
20 チャンドラー・カニンガムサウス(196/120/21)
Harlequins
21 ハリー・ランドール(172/72/26)
Bristol Bears
22 フィン・スミス(180/89/22)
Northampton Saints
23 トム・ローバック(188/96/23)
Sale Sharks
得点
HomeAway
前半後半前半後半
11 T 54
11 G 52
00 PT 00
00 PG 00
00 DG 00
77 3524
14合計59
反則
PKFKPKFK
50 前半 31
31 後半 50
81 合計 81

Home 交替/入替

種類時間背番号
入替 後半1分 3 → 18
入替 後半1分 2 → 16
入替 後半8分 8 → 21
入替 後半13分 4 → 19
入替 後半21分 1 → 17
入替 後半21分 9 → 22
入替 後半21分 6 → 20
入替 後半24分 14 → 23

Home 一時交替

時間背番号内容

Away 交替/入替

種類時間背番号
入替 前半16分 7 → 20
入替 後半8分 9 → 21
入替 後半8分 2 → 16
入替 後半13分 1 → 17
入替 後半15分 3 → 18
入替 後半15分 15 → 22
入替 後半21分 12 → 23
入替 後半27分 5 → 19

Away 一時交替

時間背番号内容

Home カード/処分

種類時間背番号内容

Away カード/処分

種類時間背番号内容

得点経過 前半Kick off : イングランド代表 /後半Kick off : 日本代表(宮崎合宿&ヨーロッパ遠征 2024年10月〜11月)

前半チーム名#.Name
5分 日本代表 9.齋藤直人 PGx 0 - 0
9分 イングランド代表 8.ベン・アール T 0 - 5
10分 イングランド代表 10.マーカス・スミス G 0 - 7
14分 イングランド代表 7.サム・アンダーヒル T 0 - 12
15分 イングランド代表 10.マーカス・スミス G 0 - 14
23分 イングランド代表 2.ジェイミー・ジョージ T 0 - 19
24分 イングランド代表 10.マーカス・スミス G 0 - 21
31分 イングランド代表 2.ジェイミー・ジョージ T 0 - 26
32分 イングランド代表 10.マーカス・スミス G 0 - 28
34分 日本代表 9.齋藤直人 T 5 - 28
34分 日本代表 9.齋藤直人 G 7 - 28
37分 イングランド代表 11.オリ—・スライトホーム T 7 - 33
38分 イングランド代表 10.マーカス・スミス G 7 - 35
後半チーム名#.Name
14分 イングランド代表 15.ジョージ・ファーバンク T 7 - 40
15分 イングランド代表 10.マーカス・スミス Gx 7 - 40
20分 イングランド代表 16.ルーク・カウワンディッキー T 7 - 45
21分 イングランド代表 10.マーカス・スミス Gx 7 - 45
22分 日本代表 7.姫野和樹 T 12 - 45
23分 日本代表 15.松永拓朗 G 14 - 45
25分 イングランド代表 16.ルーク・カウワンディッキー T 14 - 50
26分 イングランド代表 10.マーカス・スミス G 14 - 52
29分 イングランド代表 23.トム・ローバック T 14 - 57
30分 イングランド代表 10.マーカス・スミス G 14 - 59

<特記事項>
日本協会による参考記録


 イングランド代表とのこれまでの対戦成績は12戦全敗。しかし過去には僅差で競り合った時代もあり、また昨年のRWC2023フランス大会では、後半16分まで12-13と1点差の大激戦を演じ、相手1番マーラーの頭にあたったボールがトライにつながる悲運の敗戦もあった。しかし新生エディー・ジャパンは、ここにきてケガ人が続出し、ゴールキックのスペシャリストを欠き、この日の2番には初キャップの李承爀(リ・スンヒョ)が入った。

 イングランドのキックオフでスタートしたこの試合、超速ラグビー全開でイングランド代表を振り回したいところだったが、15番松永のPKからのタッチキックがノータッチとなったり、5分、先制のチャンスの中央45mのPGを齋藤が外してしまったりと残念なミスが目立つ。押され気味のスクラムも気になる。9分、イングランドは日本陣左22mライン手前のマイボールのラインアウトからモールを押し込みながら右へ展開。ファースト・レシーバー12番スレードからパスを受けた10番マーカス・スミスが右へ大きく展開と見せて縦に走り込んだ13番ローレンスにパスを浮かし、ローレンスが縦に突破。22mラインを超え、内をフォローした8番のベン・アールにパスが渡り、日本のバックアップを振り切ってゴールポスト直下にトライ(スミスのG成功で0-7)。14分、日本ゴール前右5mのイングランドボールのラインアウトのモールはつぶれたが、そこからFWのサイド攻撃を連続して最後は7番アンダーヒルがインゴールへねじ込む(スミスのGで0-14)。続いて23分、今度は日本ゴール前左5mのイングランドボールのラインアウトで、モールにBKの11番、12番、13番が参加して押し切り、2番ジョージがトライ(スミスのGで0-21)。31分、再び日本ゴール前右5mのイングランドボールのラインアウト・モールを押し込みジョージがトライ(スミスのGで0-28)。中盤での日本の反則からイングランド日本ゴール前までタッチキックを蹴られ、ラインアウト・モールを押し込まれてトライを献上するというプレーが3回続いたわけで、中盤での反則がトライ献上に繋がることを明確に認識しなければならない。34分、漸く日本に攻撃チャンスが生まれ、自陣10mライン手前のラックから6番下川に縦を突かせてラックとなり、そのボールを齋藤、マクカラン、フィフィタと繋ぐ。フィフィタは外の5番ウルイヴァイティではなく、後方からサポートしたFB松永にボールを渡し、松永がマークを引き付けてライリーにパスを通したことで、2対1の状態となる。ライリーはパスダミーで縦に突破して35mを激走し、敵陣10mラインを超えたところで内をサポートした齋藤へパス。齋藤はスミスのバックアップを振り切りインゴールを回り込む(齋藤のGで7-28)。しかし直後の37分、日本陣右22mライン手前まで攻め込んだイングランドは、今度はBK展開攻撃に出る。ボールが1度はこぼれたものの分厚いサポートで立て直し、3番スチュアートのロングパスを活かして11番スライトホームに繋ぐ。スライトホームは巧みにインゴールへグラバー・キックを蹴り、自ら抑える(スミスのGで7-35)。ワンサイドゲームの様相を呈し前半終了。

 ハーフタイムで戦術面、メンタル面を立て直した日本は、後半スタートから超速ラグビー全開で攻める。相手のダイレクトタッチで得たラインアウトから超速展開攻撃を仕掛け、相手の反則で得たPKも9番齋藤のタップ・キックから攻め続ける。42分、この日10番のマクカランが敵陣22mライン付近で相手DFの裏へグラバー・キックを蹴り、11番ナイカブラと相手10番スミスの競争となったが、惜しくもトライならず。その後も日本は超速ラグビーを継続し、12番フィフィタの縦突進、バックロー陣のサイド突破などで攻め続ける。45分、4番ワクァがラックサイドを抜け出し独走となるがボールを落としてしまう。47分、日本はラックを連取しフィフィタの縦突進で作ったラックから右へ展開。マクカラン、松永、ライリーとパスが渡り、ライリーは詰めてきた11番スライトホームを外に外して、上がってきた15番ファーバンクを引き付け14番長田にパス。ノーマークとなった長田は25m独走し、バックアップの10番スミスにあたるのだが、この時、11番ナイカブラが内側をサポートしており、ナイカブラのコールが届いていれば、もともとCTBの長田はパスを出せたはずで、絶好のトライチャンスを逃してしまう。50分には、この日押され気味だったイングランドボールのスクラムを押し切ってPKを得る。このPKタッチキックで得た敵陣左22mライン近辺のラインアウトから、日本はモールを押し込み再び、連続攻撃を仕掛ける。しかし最後マクカランが敵DFの裏に上げたパントが相手にマークされタッチキックで日本陣右10mのラインアウトとなる。ここからも超速展開攻撃を継続したが、トライチャンスまではいかない。この10分超の日本の超速アタックでトライが取れていれば、試合の流れは大きく変わっていたはずだ。できれば前半の最初からこの超速アタック全開でペースをつかんでほしかった。しかし54分、日本は自陣右30m近辺のラインアウトでスローワーが投げたボールに誰も反応せず、そのボールを確保したイングランドは右へ展開し右奥へパントを蹴る。見事にボールをキャッチした14番フリーマンは内をサポートした15番ファーバンクへノールックで自分の背後からの見事なパスを通し、ファーバンクはインゴールへ飛び込む(スミスのG失敗で7-40)。60分、イングランド日本ゴール前左5mのマイボール・ラインアウトを押し込みラックとなった後、16番カウワンデッキーが力強く突進し日本のDF数名を振り切ってインゴールへねじ込む(スミスG失敗で7-45)。直後の62分、攻勢に出た日本イングランド陣10mライン手前のラックサイドを20番タタフが突破し、サポートした14番長田が縦に抜け出し22mラインを超えて22番藤原につなぎラック。そこからパスを受けた7番姫野が横をサポートした17番森川にパスを出して再びサポート。ゴール前7mで倒れた森川からパスを受け姫野がインゴールへ飛び込む(松永のGで14-45)。更に攻勢に出たい日本であったが、65分、日本のゴール前に攻め込んだイングランドはFWのサイド攻撃でラックを連取し、最後は16番カウワンデッキーが2トライ目を上げる(スミスのGで14-52)。69分、再び日本陣左10mラインを超えて攻め込んだイングランドは、ラックを連取したのち、外のスペースにパントを上げ、大外で待つ23番ローバックがキャッチして、ナイカブラ、松永のタックルをかわしてインゴールへ走り込む(スミスのGで14-59)。その後、両チームの攻防が続いたが得点にはつながらずフルタイムとなる。

 過去2試合のイングランド代表戦では安定したスクラムを組めていたが、この日はラインアウトと共にセットプレーを安定させることができなかった。またモールプレーの力強いイングランドに対して、度々中盤で反則を犯し容易に自陣ゴール前に入られていた。今年のテストマッチは終わってしまったが、来年、ケガ人が復帰した中に新たな戦力や、しばらく休んでいたベテラン勢を復帰させて最強の日本代表を構成し、世界へチャレンジしてほしいものだ。