テストNo.394 アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2025 準決勝 日本代表 vs トンガ代表

令和7年(2025)9月14日 G:DICK'S Sporting Goods Park R:Luc Ramos(France 協会)
日本代表 62-24 トンガ代表

対戦日2025/09/14 (日) Kick off15:35
競技場DICK'S Sporting Goods Park 観客数6,452人
天候晴れ/無風 グラウンド
状態
良い
ドクター
記録係JRFU広報室
レフリーLuc Ramossign
アシスタントレフリー

Andrew Brace

Robin Kaluzniak

マッチコミッショナーsign
TMOTual Trainini(TMO)
日本代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 小林賢太(181/113/26)
東京サントリーサンゴリアス
FW
2 江良颯(172/106/23)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
3 竹内柊平(183/115/27)
東京サントリーサンゴリアス
4 ジャック・コーネルセン(195/110/30)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
5 ワーナー・ディアンズ(201/117/23)
6 ベン・ガンター(195/120/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
7 下川甲嗣(188/105/26)
東京サントリーサンゴリアス
8 ファカタヴァアマト(195/118/30)
リコーブラックラムズ東京
9 藤原忍(171/76/26)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
HB
10 李承信(176/86/24)
コベルコ神戸スティーラーズ
11 長田智希(179/90/25)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
TB
12 チャーリー・ローレンス(171/90/27)
三菱重工相模原ダイナボアーズ
13 ディラン・ライリー(187/102/28)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
14 石田吉平(167/75/25)
横浜キヤノンイーグルス
15 サム・グリーン(178/85/31)
静岡ブルーレヴズ
FB
16 佐藤健次(177/108/22)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
Re.
17 祝原涼介(184/115/28)
横浜キヤノンイーグルス
18 為房慶次朗(180/108/24)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
19 ワイサケ・ララトゥブア(193/120/27)
コベルコ神戸スティーラーズ
20 ティエナン・コストリー(192/102/25)
コベルコ神戸スティーラーズ
21 マキシファウルア(187/112/28)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
22 福田健太(173/83/28)
東京サントリーサンゴリアス
23 廣瀬雄也(182/94/24)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

※背番号の白抜きはキャプテン

トンガ代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 SiegfriedFISI'IHOI(184/125/0)
Pau
FW
2 SamuelaMOLI(185/108/0)
Moana Pasifika
3 BenTAMEIFUNA(188/151/0)
Boardeaux(FRA)
4 VeikosoPOLONIATI(203/130/0)
5 HarisonMATAELE(198/111/0)
Stade Montois Rugby
6 TupouAFUNGIA(187/89/0)
NOLA Gold
7 FotuLOKOTUI(180/113/0)
Agen
8 SiosiuaMOALA(188/105/0)
HSOB-Gisborne
9 SonataneTAKULUA(180/96/0)
Stade Olympique Chambry
HB
10 PatrickPELLEGRINI(170/80/0)
Moana Pasifika
11 JohnTAPUELUELU(187/89/0)
Kumeu Rugby Club
TB
12 WillisHALAHOLO(180/102/0)
Western Suburbs
13 FetuliPAEA(190/102/0)
Dragons
14 NikolaiFOLIAKI(190/105/0)
NOLA Gold
15 SalesiPIUTAU(186/107/0)
FB
16 SosefoSAKALIA(180/105/0)
Kolomotu'a Eagles
Re.
17 TauKOLOAMATANGI(172/128/0)
18 SolomoneTUKUAFU(186/127/0)
Biarritz Olypique(FRA)
19 JustinMATAELE(199/112/0)
20 TevitaAHOKOVI(0/0/0)
21 SiaosiNAI(178/93/0)
22 JamesFAIVA(0/0/0)
Western Pirates
23 JosiahUNGA(0/0/0)
Auckland Marist
得点
HomeAway
前半後半前半後半
34 T 31
34 G 20
01 PT 00
02 PG 00
00 DG 00
2141 195
62合計24
反則
PKFKPKFK
40 前半 20
21 後半 80
61 合計 100

Home 交替/入替

種類時間背番号
入替 後半10分 1 → 17
入替 後半16分 8 → 21
入替 後半16分 12 → 23
入替 後半20分 2 → 16
入替 後半22分 3 → 18
入替 後半24分 4 → 19
入替 後半27分 7 → 20
入替 後半33分 9 → 22

Home 一時交替

時間背番号内容

Away 交替/入替

種類時間背番号
入替 後半7分 3 → 18
入替 後半8分 12 → 23
入替 後半17分 20 → 7
入替 後半20分 2 → 16
入替 後半32分 4 → 19
入替 後半32分 14 → 22
入替 後半34分 17 → 1
入替 後半34分 9 → 21

Away 一時交替

時間背番号内容
前半25分 → 後半0分 5 → 20 出血
後半38分 → 試合終了 4 → 19 HIA

Home カード/処分

種類時間背番号内容

Away カード/処分

種類時間背番号内容
イエロー 後半15分 6 危険なプレー
イエロー 後半40分 21 不当なプレー

得点経過 前半Kick off : 日本代表(アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2025 ファイナルラウンド登録メンバー) /後半Kick off : トンガ代表

前半チーム名#.Name
6分 トンガ代表 7.FotuLOKOTUI T 0 - 5
7分 トンガ代表 10.PatrickPELLEGRINI Gx 0 - 5
10分 日本代表 2.江良颯 T 5 - 5
11分 日本代表 10.李承信 G 7 - 5
18分 日本代表 8.ファカタヴァアマト T 12 - 5
19分 日本代表 10.李承信 G 14 - 5
26分 トンガ代表 3.BenTAMEIFUNA T 14 - 10
27分 トンガ代表 10.PatrickPELLEGRINI G 14 - 12
32分 日本代表 5.ワーナー・ディアンズ T 19 - 12
33分 日本代表 10.李承信 G 21 - 12
38分 トンガ代表 4.VeikosoPOLONIATI T 21 - 17
39分 トンガ代表 10.PatrickPELLEGRINI G 21 - 19
後半チーム名#.Name
2分 日本代表 13.ディラン・ライリー T 26 - 19
後半チーム名#.Name
3分 日本代表 10.李承信 G 28 - 19
11分 日本代表 10.李承信 PG 31 - 19
13分 日本代表 10.李承信 PGx 31 - 19
14分 日本代表 9.藤原忍 T 36 - 19
15分 日本代表 10.李承信 G 38 - 19
20分 日本代表 10.李承信 PG 41 - 19
23分 トンガ代表 11.JohnTAPUELUELU T 41 - 24
24分 トンガ代表 10.PatrickPELLEGRINI Gx 41 - 24
32分 日本代表 16.佐藤健次 T 46 - 24
33分 日本代表 10.李承信 G 48 - 24
37分 日本代表 18.為房慶次朗 T 53 - 24
38分 日本代表 10.李承信 G 55 - 24
40分 日本代表 PT 62 - 24

<特記事項>
・試合記録は日本ラグビーフットボール協会による参考記録


 試合の直前に1番登録が木村から小林に替わり、リザーブの17番に祝原が入った(祝原は出場すれば初キャップとなる)。これでアメリカ戦からの変更は先発4番コーネルセン、9番藤原、リザーブ17番祝原、20番コストリー、22番福田となった(今回FW登録6人、BKは2人となる)。

 トンガとの通算対戦成績は10勝9敗だが、この10年では日本が3連勝中である。只、トンガはこれまで日本代表に、ラトゥ、コリニアシ、マフィなどフィジカル・モンスターを何人も送り込んでおり、NZ代表イングランド代表で活躍する選手も多数出ている。つまり、個々のパワーでは日本代表を上回るわけで、これをダブルタックルでしっかりと受け止め、超速ラグビーで振り回して疲れさせることができるかが、この試合のキーポイントとなる。

 日本のキックオフで試合は始まり、11番長田が中央から飛び出してプレッシャーをかけ、6番ガンターも強烈なタックルを見舞う。日本は、トンガ陣左10mのラインアウトから、ワーナーを突進させ右へ展開。トンガは、タックル後のスティールの意識が高く、いつでもボールを奪い返すという雰囲気があり、BKにも積極的に展開する。トンガは日本陣10mライン近辺から10番ペレグリーニが日本のゴール前へキックを蹴り、これが左5mライン近辺に出る。トンガは予想通りこのラインアウトからモールを組んで強烈にプッシュをかけてくる。日本もFW全員でこれを受け止め、トンガの前進を許さない。しかしトンガもここから、FW中心のフィジカルを活かした縦突進を繰り返し日本に圧力をかけ続ける。そして前半6分、7番ロコツイが15番のサポートを受けトライゾーンに飛び込むも、TMO判定の結果ノートライ。しかし日本のオフサイドによるPKからの再開となり、トンガはペレグリーニが日本陣右5mへタッチキックを蹴り、トンガボールのラインアウトで再開となる。先ほどはトンガのラインアウト・モールをガッチリ受け止めた日本であったが、ここではモールポイントを左にずらされ、FW一体でなだれ込まれる(トライは7番ロコツイ:10番ペレグリーニのG失敗で0-5)。10分、日本はハーフウェー・ラインを少し超えた左のトンガボールのラインアウトでFK(セットの遅れによる)を得て、3番竹内が自らタップして突進。一度、相手に捕まるも、それを振りほどいて再度激走。最後はサポートした2番江良にパスが渡り、ゴール下に飛び込む(李のGで7-5)。日本は中盤でのガンターのスティールからタッチキックでトンガ陣に入り、連続攻撃を仕掛ける。そして18分、日本トンガゴール前右のスクラムを押し、相手バックローが動けない状態にして、ファカタヴァが右へ持ち出し相手11番を跳ね飛ばして右隅へ飛び込む(李のGで14-5)。しかしトンガも黙ってはいない。日本のハイタックルで得たPKから日本陣に入り、FW、BK一体となった縦攻撃でラックを連取する。26分、日本のオフサイドでPKを獲得するとタップ・キックから3番ベンがフィジカルを活かして豪快に突進し、問答無用のトライ(ペレグリーニのGで14-12)。151㎏の巨体を利しての突進はまさに世界クラスであり驚異だ。32分、トンガゴールに迫った日本は、BKが右へ左へと豪快に連続攻撃を仕掛け、最後、ゴール前のラックからパスを受けた5番ワーナーがBK並みのステップでDFをひらりとかわし、トライゾーンへ走り込む(李のGで21-12)。38分、トンガ日本ゴール前に迫り、5mライン左のラインアウトから、後方へ走る4番ポロニアチにタップして、ポロニアチは日本のタックルをかわして、そのままトライゾーンへ飛び込む(ペレグリーニのGで21-19)。そして前半終了。日本もダブルタックルでトンガの突進を着実に止めるシーンもたくさんあったが、3番、4番の突進などはまさに世界クラスであり、フィジカルを活かした突進による3本のトライを献上することになってしまった。後半の対策に期待したい。

 後半、トンガのキックオフ・ボールを日本が前に落としてしまう。しかしトンガのカウンター攻撃中にアドバンテージ・オーバーとなり、ボールを奪い返した日本は、12番ローレンスの自陣から脱出のキック。これがトンガ陣右ゴール前5mへ出て50-22となる。そして2分、このラインアウトをワーナーがクリーンキャッチし、ガンターからSOの位置にいる藤原にパス。トンガの飛び出してくるDFに対して、藤原はラインの裏へショートパントを上げ、それがゴール前に走り込んだ13番ライリーの胸に入り見事なトライ(李のGで28-19)。ミスが起きた後のまさにビッグプレーと言える。再開後、果敢にアタックをしてくるトンガに対し、日本は全員の前に出るタックルで対抗し、勢いに乗らせない。確実に勝利をものにしたい日本は、10分、李がPGを決め31-19とリードを広げる。ここで1番小林に替わり、17番祝原を投入(祝原は初キャップを獲得)。13分、李が珍しくPGを失敗するも、14分、日本トンガゴールに迫り、FW、BK一体の攻撃でラックを連取した後、藤原がラックサイドのスペースを突きトライゾーンへ飛び込む(李のGで38-19)。ここで8番ファカタヴァ、12番ローレンスに替わり、21番マキシ、23番廣瀬を投入。そして日本の連続攻撃の後、19分、李のPGで41-19と着実に点差を広げる。ここで2番江良に替わり、16番佐藤を投入。また3番竹内に替わり、18番為房を投入。トンガは中盤でのスクラムから9番タクルアが抜け出して日本陣に入り、22分、今度はBKの展開攻撃でラックを連取し、最後は左へ振り、11番ジョンが石田の追走をかわし左隅にトライ(ペレグリーニG失敗で41-24)。FWのフィジカル・アタックだけではないことを見せつける。24分、4番コーネルセンに替え、19番ララトゥブアを投入。27分には、7番下川に替え、20番コストリーを投入。32分、日本はハーフウェー・ライン手前左のスクラムから、廣瀬がトンガゴール前へキック。トンガ23番ジョシアがキャッチしてカウンターアタックに出るところを長田が冷静にタックルし、そのボールをコストリーが拾い、左のララトゥブア、ガンターと繋ぎ、最後は16番佐藤が左隅に飛び込む(李のGで48-24)。ここで9番藤原に替え、22番福田を投入。さらに37分、日本トンガゴール前での相手ボールスクラムでPKを得ると、21番マキシのタップ・キックからの突進に続き、FW陣が縦突進を繰り返し、最後は18番為房がトライゾーンにねじ込む(李のGで55-24)。完全な日本のペースの中、38分、トンガのキックオフ・ボールをキャッチしたライリーは左サイドを抜き去り快走。さらにトンガゴール前にパントを上げ自ら追走。ボールをキャッチする前にトンガDFがノーボールタックルをして、それがペナルティ・トライと判定される(62-24:トンガ21番ナイにイエローカードが出される)。その後、トンガのアタックを全員のタックルで凌いでフルタイムとなる。

 前半は予想通りトンガのパワープレーに3トライを献上し接戦となったが、後半は、見事に対策し、裏へのキックなどでトンガを疲れさせ、超速展開でトンガを完全に突き放す理想の展開に持ち込む大勝となった。来週はいよいよパシフィック・ネーションズチャンピオンのフィジーとの決勝戦になるが、日本の目指す超速ラグビーを完遂して何としても勝利してほしいものだ。この試合のプレイヤー・オブ・ザ・マッチは日本の3番竹内であり、スクラムだけでなく、フィールドプレーでのゲインでも存在感を示す竹内はまさに超速ラグビーの鏡と言える。