令和7年(2025)9月21日 G:America First Field R:Damian Schneider(アルゼンチン協会)
●日本代表 27-33 フィジー代表〇
対戦日 | 2025/09/20 (土) | Kick off | 19:35 |
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競技場 | America First Field | 観客数 | 8,000人 |
天候 | 晴れ/無風 | グラウンド 状態 | 良い |
ドクター | |||
記録係 | JRFU広報室 |
レフリー | Damian Schneider (UAR) | sign |
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アシスタントレフリー |
Luke Pearce (RFU) Robin Kaluzniak (RC) - |
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マッチコミッショナー | sign | |
TMO | Marius van der Westhuizen/Mike Adamson |
日本代表 | ||
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# | Name(cm/kg/Age) 所属 |
Pos. |
1 |
小林賢太(181/113/26) 東京サントリーサンゴリアス
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FW |
2 |
江良颯(172/106/24) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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3 |
竹内柊平(183/115/27) 東京サントリーサンゴリアス
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4 |
ジャック・コーネルセン(195/110/30) 埼玉パナソニックワイルドナイツ
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5 | ワーナー・ディアンズ(201/117/23) | |
6 |
マキシファウルア(187/112/28) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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7 |
下川甲嗣(188/105/26) 東京サントリーサンゴリアス
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8 |
ファカタヴァアマト(195/118/30) リコーブラックラムズ東京
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9 |
藤原忍(171/76/26) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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HB |
10 |
李承信(176/86/24) コベルコ神戸スティーラーズ
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11 |
木田晴斗(176/90/26) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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TB |
12 |
チャーリー・ローレンス(171/90/27) 三菱重工相模原ダイナボアーズ
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13 |
廣瀬雄也(182/94/24) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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14 |
長田智希(179/90/25) 埼玉パナソニックワイルドナイツ
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15 |
中楠一期(174/84/25) リコーブラックラムズ東京
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FB |
16 |
佐藤健次(177/108/22) 埼玉パナソニックワイルドナイツ
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Re. |
17 |
祝原涼介(184/115/28) 横浜キヤノンイーグルス
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18 |
為房慶次朗(180/108/24) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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19 |
ティエナン・コストリー(192/102/25) コベルコ神戸スティーラーズ
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20 |
奥井章仁(178/105/24) トヨタヴェルブリッツ
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21 |
福田健太(173/83/28) 東京サントリーサンゴリアス
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22 |
中野将伍(186/100/28) 東京サントリーサンゴリアス
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23 |
池田悠希(187/100/30) リコーブラックラムズ東京
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※背番号の白抜きはキャプテン
フィジー代表 | ||
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# | Name(cm/kg/Age) 所属 |
Pos. |
1 |
EroniMAWI(188/111/0) Saracens
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FW |
2 |
TevitaIKANIVERE(182/114/0) Fijian Drua
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3 |
MesakeDOGE(178/122/0) Fijian Drua
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4 |
MesakeVOCEVOCE(197/106/0) Fijian Drua
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5 |
TemoMAYANAVANUA(202/122/0) Lyon
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6 |
EtoniaWAQA(196/110/0) Fijian Drua
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7 |
EliaCANAKAIVATA(185/104/0) Fijian Drua
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8 |
ViliameMATA(196/125/0) Edinburgh
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9 |
SimioneKURUVOLI(173/74/0) Fijian Drua
|
HB |
10 |
CalebMUNTZ(178/87/0) Fijian Drua
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11 |
TanielaRAKURO(180/0/0) Fijian Drua
|
TB |
12 |
IniaTABUAVOU(185/101/0) Fijian Drua
|
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13 |
KalavetiRAVOUVOU(186/94/0) Fijian Drua
|
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14 | JojiNasova(0/0/0) | |
15 |
PonipateLOGANIMASI(189/91/0) Fijian Drua
|
FB |
16 |
ZurielTOGIATAMA(183/109/0) Fijian Drua
|
Re. |
17 |
HaereitiHETET(184/114/0) Fijian Drua
|
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18 |
SamuTAWAKE(183/120/0) Fijian Drua
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19 |
IsoaNASILASILA(197/119/0) Fijian Drua
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20 |
KitoneSALAWA(192/95/0) Gaunavou
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21 |
SamWYE(178/88/0) Moana Pasifika
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22 |
KemuVALETINI(185/110/0) Fijian Drua
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23 |
IsaiahARMSTRONG-RAVULA(175/86/0) Drua
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得点 | ||||
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Home | Away | |||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
1 | 2 | T | 4 | 1 |
1 | 2 | G | 3 | 1 |
0 | 0 | PT | 0 | 0 |
1 | 1 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
10 | 17 | 計 | 26 | 7 |
27 | 合計 | 33 |
反則 | ||||
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PK | FK | PK | FK | |
3 | 0 | 前半 | 5 | 0 |
4 | 0 | 後半 | 9 | 2 |
7 | 0 | 合計 | 14 | 2 |
Home 交替/入替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半0分 | 12 → 22 |
入替 | 後半8分 | 15 → 23 |
入替 | 後半21分 | 9 → 21 |
入替 | 後半25分 | 7 → 20 |
入替 | 後半30分 | 3 → 18 |
入替 | 後半30分 | 2 → 16 |
入替 | 後半36分 | 1 → 17 |
入替 | 後半36分 | 8 → 19 |
Home 一時交替
時間 | 背番号 | 内容 |
---|---|---|
前半10分 → 前半20分 | 11 → 23 | HIA |
前半13分 → 前半24分 | 8 → 20 | HIA |
Away 交替/入替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半5分 | 5 → 19 |
入替 | 後半8分 | 9 → 21 |
入替 | 後半9分 | 12 → 22 |
入替 | 後半11分 | 1 → 17 |
入替 | 後半23分 | 3 → 18 |
入替 | 後半25分 | 2 → 16 |
入替 | 後半30分 | 8 → 20 |
入替 | 後半33分 | 11 → 23 |
Away 一時交替
時間 | 背番号 | 内容 |
---|---|---|
後半17分 → 試合終了 | 17 → 1 | HIA |
後半26分 → 後半33分 | 7 → 2 | ノーコンテストスクラ |
Home カード/処分
種類 | 時間 | 背番号 | 内容 |
---|
Away カード/処分
種類 | 時間 | 背番号 | 内容 |
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イエロー | 後半13分 | 8 | 不当なプレー |
イエロー | 後半22分 | 1 | 反則の繰り返し |
得点経過 前半Kick off : /後半Kick off :
<特記事項>
試合記録は日本ラグビーフットボール協会による参考記録
フィジー代表との対戦成績は4勝16敗。昨年のPNC決勝でも17対41で完敗している。ティア1国の下部で優劣を競い合う関係であり、RWCの組み合わせ抽選を考えても、何としても勝利しておきたいところである。そのためには身体能力(特にスピード)に勝るフィジーのペースにしないこと。そして日本の超速ラグビーでフィジーを振り回して疲れさせ、ストレスをかけてペナルティを連続して獲得するような展開に持ち込むことが望ましい。
フィジーのキックオフで試合は始まり、日本は超速ラグビーで攻める。3分、フィジーが自陣22mからキックしたボールを日本陣22mで受けた10番李がカウンターアタック。パスを受けた8番ファカタヴァの突進に始まり、日本の超速展開ラグビー全開でフィジーを右へ左へと振り回す。フィジーは耐えきれず反則。5分、このPKのタッチキックで得たフィジー陣右ゴール前5mのラインアウトで5番ワーナーがキャッチ。6番マキシが、ラインアウト後方から走り込む8番ファカタヴァへパス。ファカタヴァは右の狭いスペースを突進し、サポートした2番江良にパス。江良はフィジーのバックアップ2人の間をすり抜けトライゾーンに飛び込む(李のGで7-0:狙い通りのスタート)。8分、中盤での日本の反則から、フィジーはPKタッチで日本陣右22mのラインアウトを獲得。しかし日本は、この日最初のフィジーの展開攻撃を全員のタックルでよく止め、ノックフォワードを誘う。10分、この日先発の11番木田がHIAのチェック要と判定され、23番池田を投入(池田は初キャップ獲得)。そして日本はマイボールのファーストスクラムをFW全員でプッシュ。フィジーのコラプシングの反則を誘いピンチを脱する。13分、PKタッチで得た日本ボールのラインアウトをフィジーが奪いアタックに出る。このプレーの中で、8番ファカタヴァが倒れHIAのチェック要となり、20番奥井が投入される。池田、奥井共に臆することなく身体を張ってタックルし、ボールを持てば一歩でも前へと愚直にプレーする。そして日本ゴール前5mのフィジーボールのスクラム。日本FWは全員でプッシュしフィジーのコラプシングを誘い、ピンチを脱する(試合の流れを変える大きなプレー)。19分、フィジー陣左22mラインのフィジーボールのラインアウトでボールがこぼれ、江良が拾って10m前進しラック。FWの縦突進とBKの展開攻撃でフィジーゴールに迫り、浅めに立つ江良がパスを貰いトライゾーンへ。一度トライの判定が出るもTMO判定でノートライ。しかしその前のフィジーのゴール前でのオフサイドのペナルティが生きており、20分、李がPGを楽々決める(10-0)。日本ペースで着実に試合は進むと思われた21分、フィジーはキックオフを中央に高く蹴り15番ロガニマシが猛チャージをかけ、ジャンプ一番後方にタップ。こぼれ球を7番キャナカビヴァタが拾い4番ヴォセヴォセに繋ぎトライを返す(10番ムンツのGで10-7)。高さのない日本にハイボールを蹴り、長身選手が走り込みタップという、イングランド式手法でフィジーは攻め立てる。こぼれ球のような状態が発生した時は本当に怖い。27分、再び連続攻撃に出る日本は、フィジー陣でマイボールスクラムを得るが、今度は膝をつきフィジーにPKを与える(痛い反則だ)。31分、日本が連続攻撃でフィジー陣に入り22mライン左でラックを形成するもボールがこぼれ出る。それをフィジーのFWが拾って前進すると、オフロードパスや後方へノールックパスで日本陣へ大きく前進。左展開したフィジーは日本ゴールに迫りフェーズを重ね、12番タブアヴォウがトライゾーンへ飛び込む(ムンツのG失敗で10-12)。33分、フィジーゴール前からのキックをキャッチした日本はカウンターアタックに出る。11番木田がフィジー陣にキックを蹴り、単独でタックルに行くがこれを外され、14番ナソヴァに大きくゲインされ、日本ゴール前へ。このようなアンストラクチャーの状態で一人目がタックルを外され、独走を許すと本当に危ない。35分、中盤中央のラックから右へ展開したフィジーは10番ムンツが大外へキックを蹴り、ライン際で待つ6番ワクァがキャッチ。日本12番ローレンスのタックルを振り切り快走。オフロードパスで前進し主将2番イカニヴェレがトライ(ムンツのGで10-19)。まさにこれぞフィジアンマジック。魔法のようにパスが繋がる。38分、フィジーは自陣22mの手前左のスクラムから10番ムンツがDFラインの裏へショートパント。日本が処理をもたつく間に9番クルボリが拾い日本ゴールに迫る。最終的にタッチダウンできずにトライライン・ドロップアウトとなるが、完全にフィージーペースとなる。そして40分、このドロップアウトの日本のキックをフィジーがカウンターアタック。中盤からの左展開攻撃で、乱れたパスを拾い14番ナソヴァが快走。何度か捕まりかけるも、見事にすり抜けトライ(ムンツのGで10-26)。乱れた状態からのフィジーの3トライは本当に痛い。勝利にはこの対策がどうしても必要だ。
後半、12番ローレンスに替え22番中野を投入。日本のキックオフで始まり3分、中盤でのフィジーの左展開攻撃で半ズレとなった14番ナソヴァが左サイドを快走。内をサポートする9番クルボリにリターンパスをして、捕まると再び14番ナソヴァがパスを受けポスト下にトライ(ムンツGで10-33)。このままずるずると崩れてしまうのか心配されたが、日本の超速アタック魂は失われていない。7分、フィジーのパスミスを江良がキャッチして前進。そのラックからワーナー、中野、マキシが突進して連続ラック。フィジー陣22mライン手前中央から日本は右へ展開。李の飛ばしパスを14番長田が受けライン際を走り、内側フォローの15番中楠にリターンパスが通る。中楠は見事に走り切りトライゾーンへ飛び込む(李のGで17-33)。この後、15番中楠に替えて23番池田を投入。日本は、こぼれ球への反応が良くなり、またワーナーのビッグタックルもあり流れを呼び込む。18分、フィジー8番マタがオフサイドの繰り返しでイエローカード。20分、日本は、フィジー陣ゴール前右5mのラインアウトからラインアウト・モールをガッチリと組み、藤原が大声で煽ってFW陣が前進し、最後はトライゾーンになだれ込み江良がトライ(李のGで24-33)。ここで9番藤原に替えて21番福田を投入。日本ペースの続く中、フィジーのイライラが募り22分、1番マウィも反則の繰り返しでイエローカード。7点差以内にしたい日本は、25分、李がフィジー陣10mラインほぼ中央から40mのPGを決め(27-33)、6点差とする。ここで7番下川に替えて、20番奥井を投入。30分には、3番竹内、2番江良に替えて、18番為房、16番佐藤を投入。逆転へのエナジーを注入する。しかし逆転を目指して攻撃を続ける日本であるが、トライチャンスはなかなか生まれない。36分、1番小林、8番ファカタヴァに替えて、17番祝原、19番コストリーを投入。終盤は逆にフィジーのダメ押しトライを目指すアタックを受ける。日本は全員の意識の高いタックルで止めるが、残念ながら時間は経過し、フィジーのタッチキックでそのまま試合は終わる。
日本は、セットプレーなど整えられた状態からは、組織DFで相手の攻撃を止めることができる。しかしアンストラクチャーの状態で攻撃された場合、特に1対1のDFで抜かれた後、トライまで繋がれてしまうケースが多く見られた。アンストラクチャーの状態を如何に作らせないか。あるいはその状態になった時の1対1を如何に止めるか。課題は明確であり、秋のビッグマッチ(vs 豪州、南ア、アイルランド、ウェールズ)までに備えてほしいものだ。