解題・説明
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石崎奴行列は、石崎八幡神社が新築された文化10年(1813)、石崎の知行主・松前平角則忠が、ニシン漁の不振に落胆する民衆を元気付けようと、松前藩から奴行列の道具を譲り受け、祭礼を催したのが由来とされる。例年、毎年8月18日の例祭に神輿のお供として、奴行列が行なわれていたが、現在実施していない。長紋付き、手甲、脚半に、晒をしめ縄のようにねじり上げた帯という伝統の奴姿で、先警護、長柄、はさみ箱の各組に分かれて独特の足運びで練り歩く。はやし言葉は、ひとりが上の句をうたうと、ひとりが下の句をつけ、「めらし(娘)のいる家に婆ないばえ、1斗だけ(1斗煮る鍋)持て来い。婆にて食う」「寺の林のまっかきの木ホーッ、まっか木も用に立つ足袋かけ棒ホーッ」といったものや、なかには「饅頭(まんじゅう)くったいなホーッ、おらもくったいなホーッ」「酒飲みてぇなホーッ、おらも飲みてぇなホーッ」といったユニークなものもある。道中振りで長柄の槍を振り立てて行進する。進行に際しては、一人が上の句を歌い、もう一人が下の句を歌いながら行進する。昭和57年に町指定無形民俗文化財。
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