解題・説明
|
上ノ国漁港遺跡は、昭和57年2月に地元の方が大澗湾より採集した陶磁器を上ノ国町教育委員会へ届けたことを契機に、埋蔵文化財包蔵地として昭和57年7月21日に登載されている。発掘調査は、函館土木現業所(現:函館建設管理部)が第7次漁港整備計画に基づき、上ノ国漁港遺跡が所在する公有水面を漁港施設用地として盛土造成することに伴い、昭和58年10月、昭和60年7~8月に実施している。出土遺物は、15世紀中頃~近世の陶磁器が大半を占め、その中でも近世の肥前系陶磁器の一群が多く、その他金属製品(鉄製品・銅製品)、木製品、土製品、瓦、石器が確認されている。また、これらの出土遺物は遺跡の丘陵部に所在する勝山館跡が16世紀末に廃絶した後、勝山館跡から海浜部へ移住した人たちが生活で生じた廃棄物を海中に廃棄したものが大半と考えられている。
|