米づくりの一年

 かつての農家では、春から秋にかけての農作業のなかで、その節目ごとに豊作を祈る農耕儀礼が行われました。
 正月にはその年の豊作を願い、米の粉で稲の花や、稲の穂に見立てたものを作って神様に供え、春は田の水口に戸隠神社や聖権現のお札を柳や竹につけて挿し、病虫害除けの祈願をしました。
 害虫が出る夏になると虫の精霊を村外へ送り出す虫送りの行事を行い、秋には今年の収穫を村の神様に感謝するお祭りが行われました。

 *常設展示室2階で、平成23年に長野市篠ノ井犬石地区と長野市篠ノ井東横田地区で行われた虫送りの行事のビデオを見ることができます。

虫送り

長野市の東横田地区では毎年8月の第一日曜日に虫送りの行事を行う。これは、その行事で作る籠であり、葦で作られる。行事では、松明に火をともして「ナーノムシオクレ、コジキムシオクレ」と唱え、千曲川に松明が集めた虫と一緒にこれを流す。

肥桶

肥を入れる桶。天秤棒で一対吊るし、肩に担いで使う。

雁爪

畑などを耕す道具。爪を土中に打ち込みそのまま手前に引いて耕す。除草にも使われる。

脱穀機

足踏式の脱穀機。ペダルを踏み歯を回転させ、穀類を脱穀した。

摺臼

籾のついた米を玄米にする道具。上臼の穴から落ちた米が交互に回転する上臼と下臼に摺られて、籾殻が取れる。

万石通

篩の一種。傾斜した篩の上端から摺った米を流し入れ、米を篩い落として籾と選り分ける。

藁製の雨具。

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