自然とともに

 長野盆地は、盆地特有の夏と冬の暑さ、寒さが厳しい地域です。また、盆地の中央を流れる千曲川は、過去幾度も大規模な洪水災害を引き起こしてきました。長野の冬は長く、そして厳しい季節です。しかし冬の間に降った雪は春になると解けて大地を潤し、桃やリンゴの花が一斉に開くとその淡い色の広がりが私たちの目を楽しませてくれます。
 千曲川は夏から秋にかけての台風による大雨で増水氾濫を繰り返しますが、反面肥沃な土をもたらします。またかつて川には秋になると鮭がのぼり、貴重な蛋白源を供給してくれました。秋は蕎麦やリンゴなど大地の恵みを収穫する時期でもありました。
 このように自然の恵みと厳しさを受けながら、長野盆地の人々は自然と共に暮らしています。

ハコブセ

長野市真島町で使われた漁具。 ハコブセと呼ばれる。こうした型のものは入り江状になっている流れが緩やかなところに仕掛ける。中に餌を入れ、魚をおびき寄せた。 入口にアゴと呼ばれる竹簀のカエシが付いているため一方通行になっている。

四ツ手網

長野市篠ノ井で使われた漁具の部品。四ツ手網の網である。 2本の竹を曲げて交差させて組み、この網を取り付けた。千曲川の岩野橋付近で、石で止め川をして簡易ダムをつくり、秋にサケを捕っていた。

千曲市土口で使われた漁具。 大正時代~昭和初期に使用されたと考えられる既製品の筌。ドジョウやフナ、ナマズを捕ったとされる。 入口は簾でできた漏斗状のカエシが付き、入ると出られない仕掛けになっている。餌を入れて川の中に沈め、石などで固定し魚をおびき寄せた。

ロウヤ

木崎湖北側に位置する大町市平海の口で使われた漁具。 ウナギを主に狙い、湖で使われた。底と上部に板をはり、側面は割竹を格子状に仕立てる。

網針

長野市松代町で使われた。 漁網をすいたり修繕するための竹製の針。さまざまな長さの網針があり、網の目幅を測る目板とセットで使う。 中針と尻に糸を巻き付け網の目をくぐらせながらすく。このとき網の目に合わせた目板をあてる。

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