解題・説明
|
大田原藩8代目藩主の大田原友清が幕府老中の堀田正亮・本多正珍・松平武元に宛てた書状の控。大田原友清は、参勤交代で大田原に帰着したことを伝えている。また、江戸を離れる際に、将軍の徳川家重から「御巻物」を拝領し、大御所様(徳川吉宗)や大納言様(徳川家治)からも拝領したことについて礼を述べている。そのうえで大田原友清は、将軍家への返礼として干鯛1箱を献上したいので、老中からしかるべき指示を仰ぎたいと伝えている。
[釈文] 一筆啓上仕候、三御所様益御機嫌能被成御座、恐悦至極奉存候、然者私儀、今度被下置御暇、其上御巻物致頂戴、従大御所 大納言様茂拝領物被 仰付、重畳難有仕合奉存候、今日在所到着仕候付、乍憚御禮為可申上、以使者干鯛一箱献上之仕度奉存候、可然様、御指図可被下、奉頼候、恐惶謹言、 大田原出雲守 六月廿九日 堀相模守様 本伯耆守様 松右近将監様 参人々御中
|