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(一六五)具足屋宗專

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 【祐專の男】具足屋宗專は二代祐專の子で、三代祐春の後を嗣いだ。或は久家より入家したとも云はれてゐる。【戎之町中濱に徒る】通稱次兵衞、戎之町中濱に轉居し、(高木家寶略)姓を高木と稱し、(總年寄由緖書)兩替商及び米問屋を業とした。(高木家譜略)【茶道に通ず】【交友】宗專茶湯に通じ、(數寄者名匠集)南宗寺の塔頭德泉菴の開山清巖宗渭とは、特に親交があり、(宗專、清巖贈答書翰)參禪したものゝ如く、彼の木像の同菴に安置せらるゝのにも其一面を知られる。又京都七條鹽小路水藥師寺の住僧月潭とも親交があつた。【長壽】【有栖川宮の染筆を受く】宗專身體頑健で、稀有の長壽を保ち、九十歳の時有栖川宮幸仁親王の御筆にかゝる、柹本人麿の和歌、ほの〳〵との色紙一葉を請ひ得て、之を家寶とした(幸仁親王染筆和歌色紙軸及び裏面記錄)元祿二年六月二十五日、享年九十一歳を以て歿した。(先代過去帳)

第五十九圖版 具足屋宗專木像