このように、裏の沢層と下野幌層の構造が野幌背斜に支配されていることは、下野幌層の堆積後、つまり、中期更新世の初期(六〇万年前頃)からの地殻運動によって、野幌丘陵が形成されはじめたことを物語っている。
*5 走向(そうこう) 傾いた地層面、岩脈壁、節理面、断層面、鉱床などが水平面と交わる直線の方向。地層の走向といえば、地層の延びの方向と理解してもよい。
*6 傾斜(けいしゃ) 地層の層面が水平面となす角。
*7 背斜(はいしゃ) 層序的に下位の地層が中心部に出ている褶曲構造。一般的には褶曲している地層の波形の山にあたる部分。