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松浦武四郎の建言

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 与七郎がスッツから戻る折、武四郎は両人へ書状を送っている(燼心餘赤)。それによると、佐賀藩蝦夷地の開拓方針としては、まず藩内の産物である陶器・蠟燭(ろうそく)・麵(めん)類・鬢附(びんづけ)・紙・煙草(たばこ)を箱館に廻送し、これらの販売金をもとに開拓資金をつくり、また一方では市中商人や蝦夷地の請負人へ貸し付け、利殖の増大をはかることを提言している。さらに、蝦夷地の中ではクスリ(釧路)が、最も開墾地として有望なことを推奨している。