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交通路の大系

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 当時のイシカリ場所における主要な交通路は、先にみた(一)サッポロ越新道のほかに、(二)銭箱──イシカリ──アツタを海岸づたいにむすぶ浜中道(はまなかどう)、(三)千歳──ツイシカリ──イシカリ間を千歳・石狩川を利用するコースがあった。ここにはツイシカリに通行屋、札沼線石狩鉄橋の札幌市側の付近にビトエの小休所も設けられていた。いま、以上の三系路を図示すると、図2の通りである。

図-2 イシカリ、サッポロの交通路(施設の位置は推定)


写真-5 ビトエの現在の風景(北区篠路)

 (二)の銭箱・イシカリ、イシカリ・アツタ間はそれぞれ一日行程で、途中フンベム(モ)イには小休所があり、オタルナイ・イシカリ場所の境界となるオタルナイ川には渡船があった。安政五年(一八五八)に架橋がなされ、小休所もおかれている。(三)の千歳・ツイシカリ、ツイシカリ・イシカリ間は、上下により時間差がおおきく異なるものの、ほぼ一日行程で、ツイシカリには通行屋が設置されていた。この通行屋は安政四年三月に焼失している。

写真-6 フンベムイの現在の風景(石狩の浜)