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葡萄園(ぶどうえん)

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 八年中に本庁構内果樹園の西端の土地を四五九七坪(六〇〇〇坪余ともいう)ほど開墾し、七重官園栽培の米国種葡萄苗数千株を移植して札幌最初の葡萄園を作った。その後も多量の種苗の移栽につとめた結果、十一年以来結実し、十四年には満園の結実となった。これはのちに第二号葡萄園と命名された。
 これに対し十年一万四一九〇坪の第一号園がやはり偕楽園に接する位置へ設けられた。米国各種の苗六九六〇株を東京官園より移植し、米国の方式に従って最初は栽植の距離を八尺六寸余(約二メートル六〇センチ)に定め、肥料を施して株ごとに支柱を建て、ツルを結束して培養につとめた。結果もよく翌十一年に千数百本が結実し、十四年にはすべて結実を見、収穫量も多く、第二号園と共に物産局に回付してブドウ酒の原料とした。
 つづいて十一年、二万六一六四坪の第三号園が札幌通の東端(北一条~北三条、東五~六丁目あたり)に設けられた。同時に札幌郡苗穂村の土地一〇万六六五四坪(四万六〇〇〇坪余ともいう)を開墾して第四号園が開かれた(この地はのち谷葡萄園となり、また鉄工場敷地となる)。さらに十二年中、真駒内牧牛場内にも三六〇〇坪の葡萄園を開き、それぞれ米国種を中心に植栽していずれもよく土地になじみ好結果を得ている。