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製紙所

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 六年八月紙匠三人を庄内に募り、製紙場空知通(北六条)に設けた。試験的に野桑の皮を採って紙を製したが、皮質粗硬で製紙には適さなかった。越えて八年四月製紙の原料に楮皮を他県にもとめたり、また楮苗一万株を酒田から購入して札幌官園に移植した。このように開拓使は製紙業に対し相当力を入れた。しかし六年から九年まで三一一〇円七七銭の経費をかけ五二二円三一銭五厘の収入しかなく、先々見込みがないとして事業を中止した。十一年には紙漉の業は札幌監獄署の囚徒に行わせている。