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取締の役割

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 取締の役割については、貫属の「心得書」(白石村移住以来保存ノ書類 道開)が唯一のものである。心得の九力条のうち、二カ条が取締に関係している。
一、取締ハ貫属ヲ惣轄スル之任アリ。一統取締之申付違背スベカラス候事。
一、取締ハ貫属之長タレハ尚更御趣意ヲ体認シ、一統之者共開墾之制導ハ不及申、勧善懲悪之御制度相守候様常々懇ニ諭方行届候様心懸可申候事。

 これによると取締は貫属の「惣轄」「長」であり、「開墾之制導」や種々の「諭方」が職掌とされていた。非常に漠然とした規定であり、これが後に取締を巡るトラブルの一因ともなってくる。
 取締は貫属から開拓使あての諸願書には必ず押印しており、また副戸長がおかれてからは副戸長のあとに押印している。これは貫属の動向すべてを督察すると同時に、副戸長をも配下におく行政官の役割も担っていたことを示す。