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教育勅語、「御真影」と奉置所

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 この時期は二十二年に憲法が発布され、二十三年十月にはいわゆる「教育勅語」が下付された時期でもあった。札幌ではまず二十二年六月に北海道尋常師範学校で、同年九月には創成小・札幌女子小・札幌女学校で御真影の拝戴式が行われ、二十三年中に師範学校・女子小等で教育勅語の拝読式を行い、順次他に及んだ。豊平・札幌両村の「聖影」(御真影)奉戴式は二十六年十二月十八日に行われたが、その模様を藤古小学校の『日記』によってみてみたい。
今日ハ門前ニハアーチヲ作り国旗ヲ交叉シ、森修一郎ノ工夫ニ係ル農産物ヲ以テ製シタル奉戴式ト大書セル大扁額ヲ掲ケ、球燈ヲ釣リ、玄関ニハ幕ヲ張リ、式場ノ正面ニハ玉座ヲ設ケ紫ノ幕ヲ打チ、西側ニハ陛下万歳ヲ大字セル布ヲ垂シ、中々厳粛ニ式場ヲ整ヘタリ(中略)(聖影が)村界ニ到レバ小田訓導ハ司令官トナリテ生徒ヲ引率シ(中略)一同最敬礼ヲナシ生徒ハ君カ代ヲ奏シツツアリ、其間ニ鳳輦ハ通行スレハ生徒ハ其後ニ随ヒ軍歌ヲ以テ勇マシク殿リセリ(中略)御真影ハ予テ設ケノ玉座ニ安置シテ第一生徒一同着席(中略)小官式ヲ開クノ旨ヲ報シ進テ開扉ス、同時ニ生徒ハ君カ代ヲ奏ス、一同最敬礼ヲナシ(中略)小官勅語ヲ奉読スル旨ヲ述へ勅語ヲ謹テ奉読ス、一同底(ママ)頭シテ聴聞ス(中略)是レヨリ男子生徒軍歌ヲ奏シ陛下ノ万歳ヲ三呼シ一同最敬礼ヲナシ小官閉扉(後略)

 なお、この式には郡長代理、戸長総代人なども出席していた。昭和期に至る儀式の原型がすでに形成されていたことに注目する必要があろう。なお勅語と「御真影」については、二十九年頃から校舎外に不燃の奉置所(奉安所)が建設されていった。