この時期は本編第七章二節に記されたように、宗教のみならず科学その他多くの分野で講演会、研究会等がもたれた時期であった。宗教においても後述するように特に仏教、キリスト教などで青年の組織が結成され、活発な運動が展開された。神道では
これらに比して規模は小さいが、神道演説会がいくつか新聞に報道されている。これによれば、演説会は明治二十年代の前半、特に二十~二十二年に集中している。会主などで中心となったのは
札幌神社阿由葉宗三郎、ほかに
向井嘉兵衛、
立花座主で
札幌神社の祭典区の成立・運営の中心となった
伊藤辰造らで、二十二年十月には大社教の千家尊愛の来札を機に開会したものもあり、教派神道も参加していた。
写真-2 神道演説会の広告
(北海道毎日新聞 明治22年9月7日付)