札幌に書店が増加するにしたがい、同業者組合も組織されるようになった。四十三年の『札幌区統計』には札幌紙文房具商組合、札幌印刷業組合の名が見られる。札幌紙文房具商組合は「同業者間ノ円満利益ノ増進」を、札幌印刷業組合は「組合員ノ和親印刷物価格ノ統一」を目的として結成された。
大正期になると、和洋紙営業組合、札幌書籍商(営業)組合も結成された。和洋紙営業組合は「組合員各自ノ利益及斯業発達」を目的とし、札幌書籍商組合は「同業者ノ和合及ビ改良発達」を目的としていた。
『札幌商業会議所報』一五号によると、大正八年十二月六日午前十一時より札幌区役所楼上において、札幌書籍商組合の創立総会が開催されている。来会者は維新堂主人の布川栄助、冨貴堂主人の中村信以ら六〇余人で、東京各出版元に対し割引率の増加、運賃荷造費の軽減等について交渉した顚末を中村信以が報告した後、午後四時役員選挙に移った。これにより中村信以が組合長に、布川栄助は常務幹事に選出され、午後五時閉会した。