経画委員会の調査報告は、札幌の将来像の設定とそれをいかに実現するかという方法についての提言である。このような提言は、札幌に市制が施行される頃に盛んに新聞紙上に登場する。「如何にして大札幌を建設すべきか」 (北タイ 大11・4・25、27、28、30)、「大札幌の建設」(北タイ 大11・6・2)、「大札幌の建設と中心市街」(北タイ 大11・7・2)等々である。これらは都市札幌を建設整備するための調査研究の仕方についてのものが多い。この他にも新聞紙上には、直接には都市計画や市制施行に言及しないが、自分の家の周辺での道路や小下水の不完全さへの不満など、現在では社会資本と呼ばれるような都市の諸設備について、日常的な生活感から改善を望むものが、市民の意見として多数掲載されている。そのような意見もその後の都市計画行政に影響を与えていったものと思われる。