札幌市の都市計画街路は、他の関連計画とともに、日本赤十字社北海道支部で行われた第一四回都市計画北海道地方委員会(昭11・9・16)で決定された。案件は、「議第七号札幌市計画街路決定ノ件」「議第八号札幌都市計画街路事業及其ノ執行年度割決定ノ件」「札幌都市計画事業道路新設拡築受益者負担ニ関スル件及札幌都市計画事業路面改良受益者負担ニ関スル件」である。第一四回では上記三件が議案であるが、第一三回委員会が同年三月に開かれており、その際の議案が第一~六号であった(表3「都市計画委員会北海道地方委員会」参照)。
委員会では、開会と共に議長の池田清道庁長官が挨拶の中で、「都市計画街路ハ申ス迄モナク地域制ト相並ンデ都市構築ノ根幹ヲ成スモノデアリマシテ、其ノ適当ナル計画ヲ樹立致シマシテ之ヲ執行シマスルコトハ、都市ノ健全ナル発達ヲ図ル為ニハ必要欠クベカラザル事柄デアリマス」と都市計画街路計画の重要性について述べている。しかし、街路計画には多大の費用がかかるため、まず街路計画を樹立して「財政ノ状態ヲ考慮シ、且緩急ニ応ジテ逐次之ヲ都市計画事業ニ移シテ、以テ計画ノ実現ヲ図ルヲ適当ト為ス」とも述べている。そのために街路事業の執行年度割や受益者負担について規定する必要を主張する。
この挨拶の後、議案三件の原案説明と質疑応答があった。桑園方面の地域制に関する質問や、街路区域に編入された土地の所有権と利用の問題についての質問など、各議案に関して二、三質疑応答がなされたが、原案に変更を求めるような疑問や反対意見は出されなかった(第一四回都市計画北海道委員会議事速記録)。