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宗教活動への抑圧

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 共産党組織をほぼ潰滅したのと同時に、特高警察は「国体」に対する異端的存在として「類似宗教」に襲いかかる。まず、昭和十年(一九三五)の大本教弾圧である。北海道でも大本教信者一二五人を検挙した(いずれも容疑不十分で釈放)。すでに「土地広袤ニシテ医療施設乏シク未タ拓殖ノ道程ニ在ル本道ニ於テ特ニ著敷キヲ観取セラレ有形無形ノ弊害又尠ナカラサルベク」(本道ニ於ケル最近ノ極左運動概況)という認識にたって、他府県よりも早く宗教活動に対する特高的視察をおこなっていたが、大本教事件を期に「所謂淫祠邪教」に対する抑圧は強まった。十一年六月末の時点の調査では、札幌署管内の信者は「ひとの道教」が七三二人、「生長の家」が九〇人、「松緑神道大和山会」が二〇〇人となっている(同前)。こうした思想・信仰の領域にまで、取締当局の監視の眼は日常的に及んでいく。