昭和十五年九月、日本メソジスト札幌教会は創立五〇年記念事業として、私立明星幼稚園を北大通東六丁目に開園した。園児数は一〇人である。同幼稚園開設の構想は昭和三、四年頃、女性宣教師・テーラーが「婦人会」の事業として幼稚園の設立を計画したのがその発端である(札幌教会百年の歩み)。同教会は十四年に創立五〇年を迎えるに当たり、「婦人会」の幼稚園開設計画を具体化することとなり、建設地として幼児教育関係施設が整備されていない、札幌市東部の同地が選ばれた(同前)。同幼稚園にはその経営を援助するための「後援会」も組織された(同前)。初代の理事長には真野萬穣牧師、園長には武藤昌知がそれぞれ就任した。
　昭和戦前期の札幌市内にはキリスト教主義に基づく幼稚園が相次いで開園した。十二年には札幌福音ルーテル教会宣教師・サオライネンが私立めばえ幼稚園、十三年にはフランシスコ修道会大司教・キノルドが藤高等女学校の附属幼稚園として札幌藤幼稚園をそれぞれ創立した(札幌市史編纂資料　一八)。