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『北方圏』

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 『北方圏』の発行所は道庁内の大政翼賛会北海道支部で、編集兼発行人は三上弘之。特集「勤労と文化」のほか、今裕、寒川光太郎、福田清人の評論、山下秀之助佐野四満美、林敏雄の随筆、吉田一穂、真壁仁、加藤愛夫の詩、小田観螢の短歌、石田雨圃子、長谷部虎杖子、奥村静雨の俳句、辰木久門の辻小説、木村不二男「末広船長」、佐藤喜一「紙芝居」などの創作が載った。「編集後記」には「北の文芸陣が總蹶起した姿」とあり、「断固醜敵を撃摧する」ための雑誌だと書いているが寄せ集めの感があり、『北方圏』は一号で消え、道内の同人雑誌はすべて姿を消したのである。全国の同人雑誌も『日本文学者』の一誌に統合された。