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第八回配本にあたって

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[桂 信雄]

札幌市長 桂 信雄
 
 ここに『新札幌市史』第五巻 通史五(上)を刊行いたします。
 本巻は、第二次世界大戦の終戦から、昭和四十七年札幌市が政令指定都市となるまでを扱っております。
 この間札幌市は、敗戦後のGHQによる占領、引き揚げ・復員、みぞうの食糧難、生活物資や住宅不足などの苦難の時代を乗り越え、新たな街づくりをスタートさせます。
 昭和二十年二二万人だった札幌市の人口は、町村合併などによりわずか二十五年ほどで人口一〇〇万人を超え、日本有数の大都市となりました。そのため、街づくりのために長期の計画を立てて、上下水道や道路、公共施設などの都市施設の整備を進めてきました。
 そしてその成果を示したのが昭和四十七年に開催された冬季オリンピック札幌大会でありました。この大会を成功させて、札幌市は国際都市としても大きく飛躍しますが、その飛躍を準備する成長の期間が、戦後のこの時代でありました。
 また中学生や高校生の雪像づくりから始まった雪まつりは、いまや世界的な催しとなっています。この時代をとおしてはぐくまれた、市民による人づくりや街づくりの努力と市民文化発展への努力を象徴する成果といえましょう。札幌が戦後の混乱期を経て近代的大都市へと成長していく経過を伝える本巻が、札幌の歴史に関心を寄せる方々、札幌の歴史を研究する方々に大いに活用されていくことを期待しています。
 最後になりましたが、いつも『新札幌市史』刊行に、多くの方々のご指導ご支援をいただいております。ここにお礼を申し上げますとともに、完結に至るまで一層のご協力をお願い申し上げます。
 
   平成十四年三月