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編集後記

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 平成十二年の「統計編」(第八巻Ⅰ)に続き、ここに第八冊目の「通史五(上)」を刊行することができた。本巻は主に終戦時より昭和四十七年(一九七二)の政令指定都市までの時期を扱っているが、札幌市が名実共に「道都」として発展・拡大した時期であり、現在のような社会基盤も整備され、現在へストレートに結びついている時代である。ただ、自治体史では当然のことであるが、時代が新しくなるにしたがって資料も膨大となり、取り上げる分野も広がり、分析も難しくなっており、編纂においてはかえって扱いがたい時期であるといえる。
 そのような編纂状況を踏まえて本巻では、これまでと異なる編集・執筆体制をとることにした。それはこれまでの編集員を中心にし、一部を外部執筆に依頼する方法を改め、編集協力員制と専門部会制を導入したことである。編集協力員制は、本巻と次巻で扱う戦後期以降の執筆分野が多岐にわたり、なお且つ執筆に当たっても高度な専門知識も必要とされることから、外部の多くの専門家、研究者にも編集・執筆への参加を求める体制である。幸い一六人の方々に協力をいただき、平成十年十一月からスタートし、本巻に向けた準備に入ることができた。
 それと併せて各分野の編目構成の検討、執筆項目の調整、原稿の校閲、地域認識の深化と共有化、資料・情報の交換などを目的に、専門部会制を発足させた。設置したのは政治・行政、産業・経済、社会・生活、教育・文化、以上の四部会である。専門部会は編集員と編集協力員による共同の編集・執筆体制を運営する基幹的な役割を果たし、各部会では年に数度の会議をもち、他部会との項目調整を重ねながら、成稿作業を進めていった。本巻が大部な巻でありながら、重複がなく均整が取れた構成にまとまっているのも、専門部会制がうまく機能したからと考えている。
 懇談会委員、本巻に関係・従事した編集協力員、市史編集室、事務局職員等の編集スタッフ、及び編集協力員・編集員等による執筆担当章・節は、以下のとおりである。
 
◇懇談会委員(五十音順)
  伊藤義郎 榎本守恵(故) 九島勝太郎(故) 小塩進作(故) 坂口勉 永井秀夫 中島好雄
  市総務局長 市教育委員会教育長
◇編集協力員
  浅田政広(旭川大学教授)、飯塚優子(札幌学院大学非常勤講師)、一瀬啓恵(室蘭工業大学非常勤講師)、
  荻野富士夫(小樽商科大学教授)、小幡尚(高知大学人文学部助教授)、堅田精司(北海道社会文庫主宰)、
  神谷忠孝(北海道文教大学外国語学部教授・北海道大学名誉教授)、桑原真人(札幌大学教授)、
  白戸仁康(北海道史研究者)、鈴木敏夫(北海道大学大学院教授)、鈴江英一(国文学研究資料館史料館教授)、
  林恒子(女性史研究者)、前川公美夫(北海道新聞文化部長)、村田文江(北海道教育大学岩見沢校助教授)、
  森雅人(札幌国際大学助教授)、山田定市(北海学園大学教授)
 ◇市史編集室
  海保洋子(編集長)、中村英重(副編集長)、白木沢旭児(主任編集員)、石田武彦、大矢一人、今野由佳里、
  西田秀子、橋場ゆみこ、平井廣一、横井敏郎、榎本洋介(編集員)
 ◇事務局
  本間敏幸(文化資料室長)、門谷陽(資料担当係長)、林幹也(事務職員 前)、佐々木泰一(事務職員)