三十九年四月道央地区は新産業都市に正式に指定された。北海道開発庁はそれに伴い『道央地区に係る新産業都市の建設基本方針』を示した。札幌市では五月総事業費三三一八億円余の『新産業都市建設基本方針による札幌市の建設計画概要』を策定し、札樽地区市町村と北海道との計画会議に提出し、北海道新産業都市建設協議会に諮り決定する基本計画案に組み込むように要望した。一方北海道は、十一月北海道新産業都市建設協議会で『道央地区新産業都市建設基本計画』を決定した(北海道総合開発の概要 昭39)。十二月二十五日首相により承認され、法的手続きが終了した(道新 昭39・12・26)。
そこで札幌市は『主要事業一〇年計画』を改訂して、四十五年までの『道央新産業都市における札幌市建設六年計画』を策定した。これは『札幌建設基本計画案』に基づき、『新産業都市建設基本方針による札幌市の建設計画概要』をより拡充整備したものである。総事業費は「概要」より若干多い三三四九億七三〇〇万円としている。
その総括表から事業の分類をみると、道路等輸送施設整備、用地造成及び住宅建設、水道及び下水道等の整備、環境衛生・医療及び社会福祉施設整備、公園及び観光施設整備、文教施設整備、産業振興事業、市庁舎その他の八項目である。
土木部門の一部をみると、道路等輸送施設の整備には、道路橋梁の整備、駐車場整備、電車及びバス、空港整備、鉄道及び通信施設の整備が、用地及び住宅建設には、工業用地造成、住宅用地造成、宅造的区画整理、都市再開発、住宅建設が、水道及び下水道等の整備には、ダム建設、水道整備、下水道整備、河川整備があげられている。そのうち札幌市施行分の道路橋梁等の整備には、街路改良や舗装として北五条通(西1~西11)、南九条通(12号線~南9西25)、白石駅前通(白石駅前~平岸街道)、鉄工団地通(琴似駅裏~市道稲積線)、東八丁目通(北1~烈々布)、東一五丁目通(北15~道道丘珠空港線)ほか一五路線、その他一般市道の舗装、砂利道新設改良があげられている(国や道に期待する分については後掲表2参照)。また橋梁については、定山渓地区長大橋(新設)、藻岩橋の架換、幌平橋の拡幅のほか六三橋の新設架換が計画されている。
これらの事業は四十年度から順次施行されていった。