わが国で初めての労働組合法(旧法)は、警察官・消防職員・監獄勤務者を除いて、官公吏や教員などを含む賃金収入で生活するすべての勤労者に団結権、団体交渉権及び争議権を保障し、使用者による団結権侵害には刑罰をもって臨むなどの内容をもつ画期的な労働立法であった。翌二十一年三月の同法施行後、国家資本傘下の官業や官公署、公立学校でも労組結成の勢いが加速し、同年末の道内組織状況は一四三九組合・三〇万二八九二人となり、二十三年九月末には二六三〇組合・四〇万七〇六九人に達した(表18)。
表-18 敗戦直後の札幌市内産業別単位労働組合数及び組合員数 |
年次等 産業 | 昭和21年4月末 | 昭和22年9月末 | 昭和23年9月末 | |||
組合数 | 組合員数 | 組合数 | 組合員数 | 組合数 | 組合員数 | |
製造工業 | 33 | 8,596 | 76 | 10,663 | 99 | 13,742 |
建設工業 | 7 | 312 | 18 | 1,882 | 27 | 2,007 |
ガス水道電気業 | 4 | 270 | 8 | 1,490 | 5 | 1,946 |
鉱業 | 1 | ― | 5 | 356 | 10 | 621 |
運輸通信業 | 11 | 4,543 | 24 | 9,662 | 20 | 9,837 |
商業 | 8 | 738 | 32 | 6,895 | 48 | 3,075 |
公務団体自由 | 5 | 2,054 | 29 | 13,872 | 52 | 14,062 |
その他 | 11 | 3,896 | 12 | 4,093 | 8 | 5,316 |
計 | 80 | 20,409 | 204 | 48,913 | 269 | 50,606 |
全道の総数 | 1,355 | 217,698 | 2,306 | 383,016 | 2,630 | 407,069 |
全道に占める 札幌市の割合 | 5.9% | 9.4% | 8.8% | 12.8% | 10.2% | 12.4% |
『日本労働組合名鑑』『北海道労働組合名鑑』各年版より登録単位組合を抽出し作成。印刷業は<製造工業>,新聞発行は<運輸通信業>,サービス業は<商業>に分類。<その他>には札幌進駐軍関係労組(21年2,267人・22年3,655人・23年3,596人)が含まれる。また,昭和22年及び23年の数値には,札幌市以外の職域を含む組合が入り交じっている。全道の総数は『資料北海道労働運動史』による各年6月末現在の数値である。 |