総評・中立労連提唱の一律五〇〇〇円賃上げ、合理化反対、労働時間短縮を中心課題に据えた三十七年春闘では、北電労のほか、北海道ガス労組の無期限ストに北海道ガス臨時工・請負集金人労組も同調するなど、全道労協、札幌地区労加盟中小組合の実力行使が拡大した。北海道放送労組は、同年も三月二十五日第五波ストでラジオ部門でピケ戦術に入り、二十八日第一一波の全面ピケ以降テレビ番組が混乱するなど強力な運動を展開した。さらに一三単組加盟の全自交札幌連合会は、三月二十日から二波の二時間統一ストを実施後、四月から各社労使間交渉の中で一一組合統一三時間ストや四時間波状ストを継続し、まこと交通労組が二四時間無期限スト、札自交富士交通支部も無期限ストなどに入り、五月三日以降「安全運転」闘争に入った札幌交通争議などでは会社側のロックアウトその他で争議が長期化した(表4)。第一小型ハイヤー争議では第二組合との間で傷害事件も発生し、懲戒解雇、救済申立、ロックアウト、仮処分申請などで事態が紛糾し、全道労協の支援などで一応解決するのは一年半後のことである(労働争議と事件の概観)。
表-4 昭和37年春闘全自交札幌連合会賃上げ要求解決状況 |
種別 組合名 | 組合員数 | 解決期日 | 主な解決条件 |
大和交通労働組合 | 70 | 5月 1日 | 賃上げ平均2,560円 |
第一ハイヤー労働組合 | 120 | (昭和37年中未解決) | |
光星ハイヤー労働組合 | 39 | 5月12日 | 基本給賃上げ4,000円 |
昭和交通労働組合 | 95 | 5月 2日 | 賃上げ平均2,500円 |
相互交通労働組合 | 21 | 5月 2日 | ①基本給賃上げ1,500円 ②最低保障月額10,000円 |
札幌交通労働組合 | 45 | 6月20日 | 賃上げ平均2,000円 (固定給平均23,600円) |
まことハイヤー労働組合 | 41 | 5月22日 | ①賃上げ5,000~7,000円 ②最低保障月額21,000円 |
札幌自交中央交通支部 | 29 | 12月30日 | 賃上げ1,500円等7項目 |
札幌自交富士交通支部 | 19 | 6月 2日 | 賃上げ2,000円十家族手当 |
札幌自交北日本交通支部 | 6 | 7月21日 | 賃上げ平均3,000円 |
興亜タクシー労働組合 | 12 | 4月30日 | ①賃上げ平均2,500円 ②最低保障月額23,000円 |
帝産自動車労働組合 | 120 | 5月27日 | 賃上げ平均2,050円 |
北都ハイヤー労働組合 | 70 | 5月 4日 | 賃上げ平均2,200円 |
『資料北海道労働運動史』より作成。 組合員数は昭和37年2月5日,要求書提出時の人員。 |