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地域の学習活動・教育研究運動

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 昭和四十年七月、札幌生活協同組合(現コープさっぽろ)が地域購買生協として創設された。当初、一三〇〇人であった組合員は、以後、急速に伸長し、四十五年には約五〇万人に達した。その直接の目的は既設の職域生協と異なり、地域住民への生活物資の供給事業にあったが、同時に女性組合員を中心とする組合員活動が、生活文化、育児・教育、社会福祉などにわたって広く展開し、その中で生活文化教室をはじめとして教養、趣味、育児などにわたって講座・教室やさまざまな学習活動が行われた。
 さらに、消費者保護基本法の制定(昭43)を契機にして、消費者協会、婦人団体連絡会などをはじめとして消費者運動が幅広く展開し、消費者教育や消費者問題の学習が多彩に繰り広げられた。
 また、三十年六月七日から九日、第一回日本母親大会が東京で開かれた。また、三十三年四月十三日には第一回北海道母親大会、三十九年七月十二日には第七回北海道母親大会がそれぞれ札幌で開かれた。この大会は全体集会と課題別集会からなり幅広い学習の場でもあった。
 また、農村地域においても住民を主体とする活動が見られた。札幌市の農村集落は道内の他の農村地域と同様に農事実行組合を基本型として展開してきたが、それは府県的な村落共同体的秩序を残存しつつも、開拓移住者の生産・生活にかかわる農村コミュニティの性格が強く、同時にその生成・展開には、行政や農業団体の指導が強く作用していた。また、近隣町村の合併の過程で、農事実行組合町内会設立の基盤をなしつつ、両者が併存してきた。農事実行組合農業協同組合、農業改良普及所などと直結し、札幌農協を中心にして近隣町村農協を含めた札幌玉葱販売協同組合連合会(昭24・7設立)のような個性に富んだ地域農協活動を可能とした。また、地域青年団4Hクラブ、農協青年部、農協婦人部(現女性部)などが多彩な活動を展開し、その中で学習活動が重きをなした。他方、町内会は地域の生活環境の整備、環境保全、防犯など広く地域生活の協同にかかわって役割を果たすとともに、児童会、子供会など、地域の教育活動にかかわってきたと同時に、市行政の補完的役割を担ってきた。
 三十六年一月、北海道民間教育研究団体連絡協議会が創設され、翌年八月一日から三日に札幌で開かれた第一回合同研究集会を契機に、教科、領域・問題別と地域ごとの教育・研究・実践・運動との交流・研究活動が蓄積されてきた。また、歴史教育者協議会、北海道教育科学研究協議会などが札幌を拠点にしつつ全道にわたる活動を展開してきた。