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札幌市体育指導委員制度

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 体育指導委員制度は昭和三十二年、「地方スポーツの振興について」の文部次官通達によって発足したものであるが、その後三十六年に成立したスポーツ振興法の第十九条によって、法的根拠が与えられた。体育指導委員の身分は市町村教育委員会の非常勤職員であり、スポーツの実技指導のほかスポーツに関する指導、助言を行うことと、次のように定められている。
 体育指導委員は、教育委員会規則の定めるところにより、当該市町村におけるスポーツの振興のため、住民に対しスポーツの実技の指導、その他スポーツに関する指導、助言を行うものとする。
 体育指導委員は、社会的信望があり、スポーツに関する深い関心と理解を持ち、及びその職を行うのに必要な熱意と能力をもつ者の中から、教育委員会が任命する。
 体育指導委員は、非常勤とする。

 札幌市教育委員会は、スポーツ振興法(第十九条)に定められた体育指導委員の必置制にもとづいて、八八人の体育指導委員を任命し、合わせて委員相互の連絡を強固なものとするために、体育指導委員連絡協議会を発足させた。市は地域スポーツの振興を図るために三七指導区を設け、体育指導委員の構成を地区選出四〇人、学校選出四二人とし、これに全区選出の六人が全体を統括するという方式を確立した。また体育指導委員の平均年齢は三八歳で、全区選出の女性二人以外は全て男性によって占められている。体育指導委員に期待された任務は、市教育委員会の行う体育事業(市民体育大会・市青年スポーツ大会・スポーツテスト)の協力、町内会連合会・婦人会・青年団等の各種団体や職場の体育・レクリェーション行事の援助、地域スポーツ組織の育成など、地域スポーツ振興施策のほとんどすべてにわたっている。
 このように、市体育指導委員制度発足から数年間の体育指導委員の活動は、当初期待された任務と実技指導者としての位置づけにもかかわらず、広範かつ多面的なものであった。スポーツ振興法における「公務員・ボランティア」という体育指導委員の性格の二面性は、待遇の低さ、役割の不明確さをもたらす要因となったが、実際に地区のスポーツ活動を推進する上での財源の確保や、指導委員の手当、指導委員の充実をめぐる問題は、体育指導委員連絡協議会の論議の中心的課題でもあった。