昭和二十六年十月、北大季刊刊行会から『北大季刊』が出た。編集人は初代が風巻景次郎で二代目が和田謹吾、発行人は岡不二太郎。創刊号には窪田薫「フランソワ・ヴィヨン」、猪俣庄八「放浪する文学の鬼」、井出賁夫「ヘルマン・ヘッセの最近の手紙から」など、教授陣の評論、和田謹吾の「三木家の人々」、早川三代治「ホロロ原野のカイン」などの創作、詩では河邨文一郎、伊藤秀五郎、伊藤俊夫などが作品を発表した。二号以後は学生の投稿が多くなり、本山節弥の創作「共喰い」(二号)、所雅彦「小品三題」(五号)、匠秀夫の評論「日本近代絵画の性格」、菱川善夫の短歌「沈澱物」(六号)、加藤多一の短歌「不安なる空」(八号)、堂本茂の創作「十字架の見える路地」、千葉宣一の詩(九号)、渡辺淳一の創作「アンドウ・トロワ」(一九号)、寺久保友哉の創作「門外」(二七号)などが発表された。四十四年七月まで三一冊を刊行。昭和二十年代に創刊された同人誌はほかに、『文学一九五三』(昭和二十八年四月~二十九年一月、二冊)、『札幌ペン』(昭和二十九年九月~三十六年五月、九冊)、『創造』(昭和二十九年十二月~三十四年三月、一一冊)などがある。