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札幌市の国政選挙

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 札幌市における衆院選の政党別議席数と得票率は表12と表13のとおりである。議席数では、いわゆる一九五五年体制に入って以降五議席を自民三議席、社会二議席で分け合っていたが、昭和四十二年から公明あるいは共産が割り込むようになった。平成五年と八年に一九五五年体制を批判する日本新党と新進党が議席を獲得するという新しい傾向が生まれた。その後中央政局は紆余曲折があったが、改革的志向をもつ潮流を取り込み、自由党を統合した民主党が平成十五年札幌市を区域に含む五小選挙区で全勝し、大躍進を遂げた。得票率で見ると、昭和四十年代から自民、社会両党に低下が現れ、公明、共産が伸びる多党化傾向が見られたが、平成十二年、十五年には民主がそれぞれ約四〇パーセント、五〇パーセントという驚異的な得票率を得た。
表-12 札幌市における衆院選主要政党別議席数・得票率(昭和33年以降)
選挙年月自民党民社党公明党社会党民主党共産党諸派無所属日本新党その他議席定数
昭33. 53(46.93)2(48.10)0( 3.40)0( 1.57)5
 35.113(43.72)0(3.66)2(46.34)0( 1.78)0( 4.50)5
 38.113(47.98)2(49.28)0( 2.74)5
 42. 12(33.44)1(13.61)2(44.19)0( 4.08)0( 4.69)5
 44.122(24.90)0(7.32)1(15.90)2(33.33)0( 8.07)0(0.07)0(10.41)5
 47.122(24.21)0(8.11)0(12.04)2(31.80)1(16.67)0( 7.17)5
 51.122(25.93)0(7.30)1(16.09)2(29.77)0(13.03)0( 7.88)5
 54. 12(28.75)1(15.98)1(33.73)1(16.54)0(0.51)5
 55. 62(33.93)1(15.03)2(33.77)0(13.70)0(0.44)0( 0.14)5
 58.122(35.61)1(17.00)1(14.75)0(12.11)01(20.53)5
 61. 73(41.52)1(15.61)1(16.13)1(13.66)00(13.08)6
平 2. 22(33.18)1(12.92)2(37.97)1(13.52)00( 2.40)6
  5. 72(26.77)1(14.91)2(24.91)0(10.95)00( 2.88)1(12.88)0( 6.70)6
  8.123(28.07)1(22.99)0(19.16)0(0.89)0( 4.26)1(20.47)5
 12. 63(33.32)2(39.63)0(17.90)00( 2.26)5
 15.110(38.45)5(49.77)0( 9.39)5
『札幌の選挙』、『札幌市選挙のあゆみ』各年版、『道新』(平15.11.11)。
1選挙区は昭和33~平成5年は中選挙区制(札幌市を含む石狩支庁・後志支庁で一区)、平成8年以降は小選挙区比例代表並立制。
小選挙区は第一区(中央区、南区、西区)、第二区(北区、東区)、第三区(白石区、豊平区、清田区)、第四区(手稲区、石狩町)、第五区(厚別区、江別市)
2議席数は札幌市が関わる選挙区全体の数字。得票率は札幌市内分で、平成8年以降は小選挙区の分。主要な政党のみを扱った。「その他」の平成5年は新生党、平成8年は新進党である。

表-13 札幌市における衆院選比例代表政党別得票率
選挙年月自民公明民主共産社会民主自由自由連合新進新社会
平 8.1223.0029.9719.4223.424.19
12. 619.5812.9231.6615.8110.028.731.29
15.1127.3614.0344.169.844.61
『札幌市選挙のあゆみ』各年版、『道新』(平15.11.11)。得票率は札幌市内分。

 一九五五年体制下、全国的には社会党が弱体化する中でも、札幌市では社会党が一貫して第一党であった点が特徴であったが、昭和六十年前後から社会党は低落傾向に入り、一九五五年体制は終焉を迎えたといっていい。その後平成十年代に入って、共産党や社民党が後退し、民主党が躍進した。しかし、札幌市における民主の伸張は、旧社会党支持層を基礎に据えつつ無党派票を獲得したことによるものであり(主役交代)、それほど安定的な基盤を有しているとはいえない。札幌市の国政選挙は、自民、社会の二大勢力対抗の時代から、きわめて流動的な時代へと推移してきた。