昭和四十五年に
米生産調整対策としてスタートした米の生産調整は、その後は稲作転換対策(四十六~五十年)、水田総合利用対策(五十一~五十二年)、水田利用再編対策(五十三~六十一年)、水田農業確立対策(六十二~平成四年)、水田営農活性化対策(五~七年)、新生産調整推進対策(八、九年)、緊急生産調整推進対策(十、十一年)、水田農業経営確立対策(十二~十五年)、産地づくり対策(十六年)という具合に、事業の名称と内容を少しずつ変えながら現在まで存続してきた。
米の生産調整の実施によって、本市の農業、とくに稲作は決定的な影響を蒙ることになった。作付面積が昭和四十五年の二四〇〇ヘクタールから平成十二年の三一ヘクタールへ、同じく粗生産額が一三億九〇〇万円から三七〇〇万円へと減少したことは、本市における
水田転作がいかに徹底して実施されたかを如実に物語るものである。実際に、昭和五十年代末までは八〇パーセントであった転作率は、その後ジワジワ増加して、平成に入るとともに九八パーセントという高水準を維持している。転作作目は、もちろん変動はあるものの、飼料作目が抜きんでて多く、以下野菜、小麦、豆類、花きなどが続いている(表54参照)。
| 昭60 | 平2 | 平7 | 平12 |
水稲作付面積(ha) | 150 | 101 | 68 | 31 |
米生産調整 | 目標面積 | (ha) | 1,708 | 1,617 | 945 | 1,393 |
実施面積 | (ha) | 1,727 | 1,620 | 948 | 1,400 |
(実績算入) | (ha) | 23 | 639 | 143 | 699 |
他用途利用米 | (ha) | 14 | 58 | 2 | 2 |
転作率 | (%) | 93 | 98 | 98 | 98 |
実施戸数 | (戸) | 1,093 | 1,036 | 606 | 335 |
補助金額 | (百万円) | 979 | 370 | 308 | 352 |
転作作物別面積 | 豆類 | (a) | 11,191 | 7,937 | 2,294 | 2,161 |
小麦 | (a) | 13,090 | 18,628 | 8,893 | 6,285 |
雑穀 | (a) | 2,282 | 1,282 | 543 | ― |
バレイショ | (a) | 6,934 | 4,935 | 988 | 697 |
果樹 | (a) | 45 | 57 | ― | 82 |
野菜類 | タマネギ | (a) | 10,821 | 11,858 | 1,632 | 1,057 |
ホウレンソウ | (a) | 2,300 | 2,586 | 2,002 | 1,370 |
レタス | (a) | 2,784 | 2,354 | 855 | 876 |
ニンジン | (a) | 1,586 | 859 | 229 | 10 |
カボチャ | (a) | 1,242 | 1,572 | 150 | 250 |
その他野菜 | (a) | 8,314 | 7,451 | 2,493 | 2,657 |
花き花木 | (a) | 938 | 1,599 | 2,058 | 1,127 |
雑苗 | (a) | 1,934 | 2,186 | 262 | 134 |
飼料作物 | (a) | 105,401 | 84,341 | 52,665 | 45,624 |
その他 | (a) | 54 | 259 | 1,238 | 7,488 |
計 | 168,916 | 147,904 | 76,300 | 70,118 |
いまや気息奄々といった感を免れない本市の稲作であるが、近年の状況を一瞥すれば北東部の篠路地区、南西部の藤野・簾舞を中心に生産が行われている。作付品種は、良質・良食味米へのニーズが一層高まる傾向にあるところから、「
きらら397」や「
ほしのゆめ」などの良食味米が一〇〇パーセントを占めている。ただし、水利権の確保、生産者の
高齢化など対応が困難な問題を抱えているところから、作付面積は今後とも減少していくものと予想されている。