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四行の業種別貸出比率と利鞘の推移等

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 この間の道内四行の主要業種別貸出比率の推移をまとめたのが表13である。各行の貸出行動の相違あるいは特徴が読みとれる。例えば製造業、卸・小売業・飲食店がほぼ一貫してシェアを低下させていく中で、拓銀はバブル期にサービス業、不動産業に傾斜し、バブル崩壊後も依然として不動産業に貸し込み、建設業と特に金融・保険業への貸し付けが大幅に伸びている。先に検討した不良債権累積の構造が見えるのである。
表-13 道内四行主要業種別貸出比率推移(年度末、%)
北海道拓殖銀行北海道銀行
昭60平1伸び率平8伸び率昭60平1伸び率平8伸び率平12伸び率
製造業18.314.0-23.58.1-42.116.814.0-16.711.5-17.99.2-20.0
建設業6.45.8-9.47.732.89.17.8-14.39.926.98.6-13.1
卸・小売業、飲食店28.920.4-29.416.8-17.631.223.3-25.319.6-15.917.9-8.7
金融・保険業5.86.38.613.3111.14.08.6115.09.712.84.4-54.6
不動産業6.910.044.913.636.04.87.454.26.9-6.86.6-4.3
サービス業9.516.775.818.611.410.213.229.414.610.611.8-19.2
地方公共団体6.74.0-40.34.717.54.82.1-56.34.7123.810.1114.9
その他(個人)11.716.944.413.0-23.113.218.338.619.14.427.342.9
 
北洋銀行札幌銀行
昭60平1伸び率平8伸び率平12伸び率昭60平1伸び率平8伸び率平12伸び率
製造業13.010.4-20.09.1-12.57.4-18.712.110.0-17.410.66.08.8-17.0
建設業13.812.1-12.312.20.87.4-39.311.49.4-17.511.118.19.5-14.4
卸・小売業、飲食店28.721.3-25.817.8-16.414.8-16.926.319.6-25.518.6-5.116.5-11.3
金融・保険業3.64.422.23.6-18.24.525.05.59.063.66.5-27.83.7-43.1
不動産業5.98.340.76.5-21.76.84.66.28.029.08.78.711.329.9
サービス業12.316.836.617.01.214.4-15.313.615.111.016.27.314.9-8.0
地方公共団体3.72.3-37.83.030.411.6286.73.31.7-48.53.394.15.978.8
その他(個人)14.720.036.126.231.028.69.216.622.736.720.1-11.524.923.9
各『有価証券報告書』より作成。

 また利鞘の推移については表14、図1のとおりである。これによってもまた各行の違いが見えるが、拓銀の場合、バブル期において既に逆鞘が発生しており、平成元年度にプラス〇・二八まで戻ったものの、翌年度から五年間にわたって逆鞘となっており、いかに厳しい状況下に置かれていたかがわかるのである。
表-14 道内四行の利鞘推移
年度北海道拓殖銀行北海道銀行北洋銀行札幌銀行
昭610.040.420.070.29
 62-0.030.250.130.34
 630.160.200.210.45
平 10.280.260.180.44
  2-0.070.00-0.050.33
  3-0.10-0.090.100.16
  4-0.110.030.290.43
  5-0.180.030.370.45
  6-0.070.250.650.73
  70.110.220.720.65
  80.120.420.650.61
  90.040.540.650.56
 100.580.580.55
 110.670.480.55
 120.620.300.48
各『有価証券報告書』より作成。


図-1 道内四行の利鞘推移

 なお道内三行の十二年度末の不良債権状況については表15のとおりである。
表-15 道内三行の不良債権額と比率(平成12年度末)
(百万円、%)
北海道銀行北洋銀行札幌銀行
破綻先債権10,86732,06514,188
延滞債権118,24987,73611,999
3カ月以上延滞債権0595269
貸出条件緩和債権89,11570,90519,325
218,231191,30145,781
不良債権比率8.35.06.7
各『有価証券報告書』より作成。