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ファミリーレストランの台頭

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 昭和五十三年ごろから札幌市内では郊外型レストラン、すなわちファミリーレストランが急速に増加しはじめ、店舗数拡大のありさまはかつての「ボウリングブームを思わせる」といわれた。北海道における初のファミリーレストランの出店は四十七年十一月の「マウンヴィル月寒店」といわれ、五十二年にはわずか九店だったものが五十三年には東区の「ヴィクトリアステーション」など一六店、五十四年三四店、五十五年には札幌を中心に約七〇店に達し、札幌圏での適正な店舗数四〇店をはるかに超える出店をみた(道新 昭55・4・5)。また道外からの進出もめざましく、五十四年の「ロイヤル」(本社・福岡)をはじめ、ダイエーやイトーヨーカドー系のレストランなども出店を開始し、さらに和菓子メーカーの「とんでん」は五十三年埼玉県浦和市ですでに出店していたスシをメニューの中心とするファミリーレストランを、五十四年十二月札幌にもオープンさせた(道新 昭54・11・18)。五十六年には盛岡市からハンバーグ専門レストラン「びっくりドンキー」が第一号店を東区に開店している。一方地場資本のなかには、急速な店舗展開や設備投資に経営が行きづまるものもあらわれ、五十五年一月には「マウンヴィル」、三月には焼き肉レストラン「OK牧場」、四月には道内有数の外食産業として総菜店、レストラン、スーパー一八二店を有していた「チャンピオンクック」があいついで倒産した。これに対し「ヴィクトリア・ステーション」は、出店地を郊外から都心部へ移す一方、旭川や苫小牧などの道内他都市や本州への出店をも検討しはじめた(道新 昭55・1・10、5・21、昭57・3・16)。