また、関係団体の札幌市衛生協力会連合会(平成十年段階で地区衛生組織一〇一)は、戦前の衛生組合の流れをくんで、活動も昭和三十年代は「蚊とハエのいない生活実践活動」、四十年から五十年代にかけてはゴミの不法投棄防止や清掃週間の美化活動など公衆衛生思想の普及と実践を行ってきたが、六十年代以降は「健康づくり運動」推進やゴミ減量、リサイクルなど地区環境問題に取り組みはじめ、病原性大腸菌O一五七(オーイチゴーナナ)の発生した平成八年には札幌市食品衛生協会連合会などと感染予防のための手洗いや消毒など、地区の衛生管理の啓発活動を行った。その後十年三月に、リサイクル運動や環境美化など目的を同じくする環境局のクリーンさっぽろ推進協議会と統合し、発展的解消した。
昭和四十七年九月に発足した札幌市精神衛生協会は、アルコール中毒患者が急増し(昭和47年7月現在入院・治療中の患者一五一五人)、精神障がい者が増える実態に対し、精神医学、社会福祉、教育の総合的立場からの対策をたてるため(道新 昭47・8・20)、会誌『心のひろば』を発行するなど、専門家を交えて家族会の育成や知識の普及、障がい者の社会復帰の促進、断酒会の育成を行った。また、五十八年には札幌市老人精神保健連絡協議会が設立され、相談事業の円滑な推進を行った。札幌市被爆者の会(北海道ノーモア・ヒバクシャ会館内)は、平成五年度現在、市内在住被爆者の老齢化がすすむなか、親睦・医療・生活困窮問題の解決に取り組んだ(札幌市衛生局事業概要 各年)。
五十六年には成人病予防にと、札幌市健康づくり運動推進協議会による健康づくり運動が開始され、家庭や地域での体力づくりやスポーツ活動による健康意識の推進が啓発された。施設面では六十二年東健康づくりセンター、平成五年中央健康づくりセンター、十二年に三館めの西健康づくりセンターを開設し、医師や保健婦を配置し、健康測定による個人の健康状態に応じて運動や栄養指導を行うとともに、生活習慣病予防による効果的な健康増進運動の普及を図っている(概要 平15)。
写真-5 中央健康づくりセンター