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札幌市教育文化会館

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 札幌市にはこれまで社会教育、体育施設などを除くと文化・芸術活動にかかわる大規模な文化施設は乏しかった。しかし、昭和四十年代後半より日本経済が高度成長をみせ、札幌市、道の予算規模が拡大すると共に、市民・道民から各種文化施設の設置・整備に対する要望がつよくなり、また文化状況的にも各種施設が必然化するに従い、相次いで設置されていくようになる。以下、近年までの各種文化施設の設置状況をみていくことにする。
 札幌市の場合、大規模な集会・講演会の開催、音楽・演劇などの公演活動ができる大型施設は、もとは市民会館(昭33・7開館)が唯一であった。それでも、北海道厚生年金会館が四十六年九月にオープンし二館となっていたが、設備・機能の面で新たな施設が必要とされていた。
 札幌市では市の創建一〇〇年記念事業として四十一年(一九六六)に、大ホール、ギャラリー、郷土資料展示室などをもつ文化会館の設置を計画し、四十三年に着工予定としていたが(道新、昭41・3・3、9・6)、実現にはいたらなかった。しかしその計画は、四十五年策定の札幌市長期総合計画には、社会教育センターと「総合文化会館(美術館、北方博物館および文化会館からなる)」の建設がうたわれ反映されていた。これらを融合したものとして、札幌市教育文化会館が計画化されていくようになる。
 札幌市教育文化会館は四十七年五月十三日に、同館建設調査委員会が設置されて館のマスタープランが作成され(八月三十日に意見書を提出)、四十八年に同館建設準備委員会が設立され基本構想、会館運営・管理について検討されていた。委員会からは同年八月二十八日に答申があり、四十九年三月に基本設計がなされたが、工事費の関係もあって二期にわけて建設することとなった。場所は札幌地方裁判所跡地の北一条西一三丁目が選ばれ、五十年七月二十八日の起工式を経て着工され、五十二年七月十五日に開館に至った。
 同館には最新設備が整った小ホール、会議室、研修室があり多くの利用者をみることになる。さらには四階に視聴覚施設が併設され、視聴覚センターとして五十二年九月にオープンする。その後、五十三年八月に第二期の大ホール建設に着工し、五十五年十月一日に完成記念式典が行われていた。音響、照明、仮設花道などの設備をもった大ホールは、多くの公演に利用される人気会場となった。その後、教育文化会館では平成十四年四月から翌十五年五月まで大規模改修工事がなされている。