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市民芸術祭と芸術文化振興

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 札幌市の文化振興事業として開始されたのは、美術、音楽、演劇、文芸などの発表活動の場となる札幌市民芸術祭であり、第一回が昭和四十八年に行われた。札幌市民芸術祭はこれまで開催されていた市民文化祭(昭23創設)、市民劇場(昭34)、中島野外劇場(昭45)、新人祭(昭31か)などの実行委員会をまとめて一本化したものであり、総合的な運営組織として札幌市民芸術祭実行委員会が創設された。創設当初は内部に、市民劇場、野外市民劇場、新人祭(新人音楽祭・新人邦楽祭)、市民吹奏楽祭、市民文化活動(合唱祭・短詩型文芸大会・市民美術展)の部会が置かれていた。現在は市民劇場、新人音楽会、邦楽新人演奏会、ギター音楽祭(昭55)、マンドリン音楽祭(昭55)、市民合唱祭(昭48)、市民吹奏楽祭(昭47)、市民文芸部、市民美術・書道展部(平4)、市民写真展(平16)の一〇部会となっている。
 札幌市民芸術祭の開始と共に札幌市民芸術祭奨励賞、五十二年に札幌市民芸術祭賞(平成三年に札幌市民芸術祭大賞と改称)が創設されている。また、札幌市民芸術祭にあわせて五十三年に札幌芸術展、五十四年に札幌芸術劇場が始められている(20周年記念さっぽろ市民芸術祭史 平6)。
 芸術文化の表彰・奨励に関しては、四十七年に札幌市民芸術賞が設置され、第一回の受賞者に詩人の河邨文一郎(かわむらぶんいちろう)、デザイナーの栗谷川健一が選ばれ、四十七年十月三十一日に受賞式が行われている。翌四十八年には札幌市民文化奨励賞も設けられ、民謡の今井篁山、声楽の西明美が選ばれていた。両賞は平成十三年度より札幌芸術賞札幌文化奨励賞と名称変更している。十五年度まで前者は個人七〇、団体二、後者は個人一〇一、団体一〇が受賞している。五十二年には芸術文化部門の市長表彰がなされるようになり、第一回は俳句の鮫島交魚子(さめじまこうぎょし)、建築の田上義也、箏曲の前田雅楽寿美(うたすみ)、詩の更科源蔵、音楽の九島勝太郎が選ばれていた。
 五十三年度に芸術家の国際文化交流活動を助成するために芸術文化振興基金を創設したが、これは箏曲家前田雅楽寿美の遺族からの寄付金が契機となっていた。芸術家の海外研修、国際文化交流へ助成の他に、青少年の活動も対象に加えて、現在は文化交流振興基金に改正をみている。
 その他、平成四年にふるさと創生資金一億円をもとに、札幌国際デザイン賞なども創設されていた。